現代の教育と出版業についての考察 | 子猫使いのやすしの日々

現代の教育と出版業についての考察

ここで一つ気になるニュース

自費出版大手新風舎が再生法

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080109-00000011-maip-soci


笑うべきか、怒るべきか、呆れるべきか、叫ぶべきか、悩みます。

というのも昔といってもちょうど1年ほど前の話になりますが、新風舎にて自費出版の誘いを受けたことがありました。誘いを受けるというのはもちろん一つの作品を応募した結果のこと。

思えばあれ以来ちゃんと小説書いていないなー、なんて反省もしたりしますが、そんな話は置いておきまして、大賞には100万円の現金というものに心惹かれて、いや、嘘付きました。大賞は出版できるというところに心惹かれて、カリカリ書いたわけです。もちろんパソコンでですが。

完成した作品はとても満足のいく出来ではありませんでしたが、自分なんてそんなもんだと諦め、投稿しましたとさ。

ここで突然話は変わりますが、最近の小学校の通知表は、クラスなり、学年全体の成績の中での優・良・可ではなく、その生徒個人の能力の範囲内でどれだけがんばったかによって成績が付けられるらしいという話を今日聞きました。だから「先生、おれはおれなりにがんばった!」ということであれば、それは例え算数のテストが30点であっても、本来の能力では10点しか取れないような生徒であれば「おまえにしてはがんばった」ということで優になるらしい。

これも所謂「ゆとり教育」の賜物なのでしょう。生徒の持てる力を最大限に発揮させてやろうという。だけどそんな教育を受けてきた子どもが大人になったときに一体どうなってしまうのか。日本は社会主義ではないのですよ。実力社会の資本主義なんですよ。その実力も自分のキャパの範囲内の実力ではなく、対自分以外に対して自分がどれだけのことをできるかという実力がものをいうんですよ。ぼくが100メートル走で自己ベストを出そうとも、とてもとてもベンジョンソンには適わないのだから誰も評価してはくれないんですよ。「よし、悪かねえ」なんて満足してるのは自分だけなんですよ。

だから若いときに挫折というものが必要になるとぼくは思うんです。どれだけ努力しても適わない人もいるかもしれない。一度挫けるんですよ。常に頂点に君臨していられる人なんて見たこともないし、仮にいたとしてもとんでもない天才か、とんでもない努力家か、とんでもない鈍感か。いずれにしても一度も挫折を知らずに生きていく人なんてそうそういないんですよね。

挫折を味わったときにどうするかでその人のその先の人生は大きく変わると思います。自分の努力が足りなかったと自己を省みて更なる努力を重ねるか、自分なんぞ所詮そんなもんだと諦め(認め)、限界値のボーダーラインを引くか、若しくはそのまま腐るか。

挫折をしたことにより腐ってしまうような人間ならそれはもう仕方ない。遅かれ早かれいつかは腐るんだから。現状維持の人も別にいい。だけど挫折をバネに更なる飛躍をしようとすることのできる人の可能性を奪ってしまうのではないか。そのことがぼくには心配で心配でたまらない。また嘘付きました。自分のことじゃないから別に心配とかないけど、あんまりよくはないのではないだろうかと。

文部科学省が「井の中の蛙大海を知らず」軍団でも作ろうとしているのではないか、なんて訝しく思いますが、このゆとり教育の考え方でいけばぼくの作った作品も大賞を取れた可能性もあるななんて思いました。

だいぶ脱線しましたが、話を現実に戻しますとぼくの作品は箸にもかかりません。「あちゃー」なんて額をポン!と叩いていたのも束の間、自費出版する価値のある本だと褒めちぎられ、一度会って直接お話したいなんて誘いの言葉が。

もちろん釣られました。自分の位置を知りたかったんですね。まさかこの賞に応募してきた奴ら全員にこんな誘いを掛けるわけはあるまい。きっとおれの作品はそれほど悪くなかったのではないか、なんて乙女チックなユルユルな期待を旨に秘め。

だがもちろん簡単に罠にはかからない。「ついていったらこうなった」みたいな本を書店で立ち読みし、自費出版の現実という項を丹念に読んだ。やっぱりそんなうまい話ないんですよ。もしもここでチヤホヤされて、「ええっ!ぼくなんかがそんな雑誌に載れて、あんなとこに本を置いてもらえるの!?」なんてうまく軌道に乗せられて出版をしてしまったらそれは100%自分の責任でしょ。出版社も商売なんだから、赤字になるようなことはしない。利益になると見込んで本を出しているのだから。よほどの金持ちであるとか、一生の記念に本を出版してみたいという人にならいいかもしれないが、ローンを組んでまで出版するようなものではない。

だから断りました。お金もないし、記念で出版したいという気持ちも今はまだないし。

そんなことがかれこれ1年ほど前にありましたとさ。


で、そんな経緯を経て、今日ニュースを見たわけです。

ただこれはひどいですよね。絵本や自伝を出版した複数の著者から「書店に並べて宣伝、販売するという契約と異なり、わずかな冊数しか店頭に並ばなかった」なんてことで訴訟を起こされているだとか。胸を撫で下ろすことはもちろん撫で下ろしましたが、詐欺じゃん、それ。だから訴訟起こされてんだけど。でも詐欺じゃん。売れないのは仕方ないけど契約通り書店には並べて欲しい。詐欺じゃん。

なんてちょっとココロオドルニュースが目に入ったのでついつい長駄文失礼しました。