小さいころから自分の顔に異常な興味を抱いていたと思う。鏡を見る回数も多かった。小5の頃からアイプチ使い続けてた。

高1の冬休み、親に内緒で二重の埋没受けた。一緒に住んでる訳だからさすがにバレたけど。でも何年かしてすぐとれちゃった。

脳の手術をしてから、いろいろいじくったことにより鼻が大きくなって、元に戻らなくなった。元々小さい鼻って訳ではなかったけど(両親の鼻見てればわかるけど)術前はつんとしてて無駄な肉がない、そんな鼻だった。だから肥大化した鼻が、ものすごくものすごくコンプレックスで、鏡を見る度に悲しかったった。


何度か親にも打ち明けたこともあった。親は「そんなに変わらない」って言うけど…写真見ればその差は歴然で。そのうち鼻用の洗濯鋏買ってきてくれたりもした。

どうしたら鼻が小さくなるのかいっぱい調べた。益若つばさちゃんの鼻が憎かった。私が可愛いなと思う顔の女のコの鼻は、皆みごとに小さかった。

やっぱり、ブスの要因は鼻だ。

鼻、鼻、鼻、鼻、鼻。


鼻をなんとかしなきゃ。


そして鼻を小さくするためには小鼻縮小という手術が適していることを知る。

チャンスは春休み中だ。

バイトもして、お金もそこそこ貯めた。学校が始まれば、ダウンタイムもそう取れない。

決意した。


昔した埋没とは違って、体にメスを入れて肉を一部切除するわけだから怖いと思うのが当然だろう。けど恐怖は全くなかった。自分のデカ鼻が写った画像を見る度に、嫌悪したからだ。


手術が終わった。


さすがに益若つばさみたいな小さな鼻になるのは無理だってわかってたし、元々の鼻の構造が(言うならば付け根の幅が)大きいから、劇的な変化はないだろうって思ってたんで、術後の鼻を見て先生も頑張ってくれたな、とは思った。

やはり何度も見てきた憎い鼻、自分から見たらかなり変化したし、満足してる。

目立たない術法にしてくれた先生にも感謝してるし、正直ラッキーだった。だってこのクリニックで受けると決めたのも費用が安かったからで、傷跡が目立たない術法だから選んだ訳では決してなかったから。

でもやっぱり遠目で見たら、デカ鼻はデカ鼻だし、客観的に見れば殆ど変化ない。(寧ろややミッツマングローブみたいな結合になった)

所詮整形は自己満なんだよね。

まぁ満足だよ。


親に誤りたい気持ちはある。

だけどコンプレックスには勝てない。これで終わるかな。


こんなようなメールを、後日二人の共通の友達に送った。

そして、本当に的確すぎるアドバイスが返ってきた。

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私の対応は悪かった。

あの地震みたいな緊急事態の時にとっちゃう行動はその人の核であるけれど、それに対する私の感情も本物だということ。

口座にお金がなかったのは、お給料の振込前でほんとになかったということ。

友達の元を去ってまで私の元に来てくれた彼の気持ちを、私はふみにじったということ。

でもそれとこれとは話は別で、そのように私をさせたのは、彼の常日頃の行動に原因があるということ。

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私はもう、あの時、ひもじい思いに耐えられない、この交際を続けるのは虚しい、もしここで彼を振っても、後悔はしない って何度も自問自答して、決断してその旨を伝えた。





結構、自分の意思は堅いと思っていた。






でも、携帯のデータフォルダ整理してて見つけたムービーみたら悲しくなった。







「あ、私も彼も、楽しそうに笑ってるじゃん。」

「私のした振り方って、相手がめっちゃ傷付いて、トラウマになるような振り方じゃん。」


って。



だから、これから彼にメールを送りたいと思う。

きっと優しい返事をくれると私は期待している。


でも、彼から潔く別れることに了承を得たとしたら、彼はどん底に突き落とされて悩んで苦しんで出した決断なのだから、素直に受け入れるのが私の最低限しなければならない対応だと思っている。





じゃ、これから返事のメールを打ってきます。





すると丁度、安否確認と電車止まってるから迎えに行こうか?っていう親戚からのメールが来た。

その事を彼に伝えて、私は一人暮らしの身で、頼れる身内も周りには限られているから、親戚の迎えを待ちたい、という事を伝えた。



そしたら、さっきまで意気揚々に手とか握ってくれてたのをパッと離されて、態度が180度変わってめちゃくちゃふてくし始めた。
「自分は帰る術ができても、俺はないんだけど。」
「俺と会う前から、親戚の車で帰るつもりだったの?」

こんな言葉を浴びせられた。

そもそも私は彼を呼びよせたわけじゃないし、彼が彼の意思で私の所へ来たのであって、私は帰れなくなったらバイト先に戻って一夜過ごすつもりでいた。

向こうは無言になるわその場に立ち尽くすわで埒があかないから、寒いしとりあえずコンビニかどっか行こうって提案して向かったけど、めっちゃ機嫌悪い人相で私の後を着いてくるだけだった。

あまりの寒さにあたしはあったかい飲み物を買った。そのあと、たまたま銀行の館内が開放されてたのを見つけたからそこに入って時間をつぶすことにした。

ひたすらふてくされて、暗い顔でうずくまって、無言で、あたしはどうしていいかわかんなかった。
とりあえず、彼はどうしたいのか、私と合流しなかったらどうするつもりだったのかを聞いて、最悪一緒にウチの親戚のとこに来る?って聞いた。

そしたら「ここで野宿するしかないじゃん。」とキレ気味に言い放たれた。

その間、親戚へ安否の連絡をメールで打っていたら「つか隣で呑気に携帯弄られてるとホントにイライラするんだけど。」って言われちゃって、あたしもう、この人とは無理だ、彼と合流して安心するどころか不安になるばかりだ、って思いが、頭の中でぐるぐるいっぱいになっちゃって、怖くて、どうしていいか本当にわかんなかった。

すんごい沈黙が続いた後、頭中で言いたい事をちゃんと整理して、もうこれから付き合っていく自信がないってことを伝えた。

こんな地震災害で混乱してる状況で、こんなことを言うのは本当に居たたまれなかったし自分勝手だって思ったけど、あたしもう限界で、何度か謝って、その場を去った。