今回は少し専門的な話になりますが、なぜ私が「世界は聖書を中心に動いている」と断言し、神の存在を確信しているのか、この理由の一端をご理解していただけるかもしれません。


たかが聖書かと思われるかもしれませんが、一国を動かすことが出来るほどの富と権力を持ったロスチャイルド家が、わざわざこの聖書にこだわり続けたのはなぜだと思われるでしょうか?


彼らが何の霊に突き動かされて聖書に介入しようと試みたのかをよく考えてみてください。


「自分たちの利益のために聖書を利用した」とお答えになるかもしれませんが、彼らはそんなことをしなくても、世界の覇権を手にしています。なぜ聖書なのでしょうか?


また、現在でも11億人のカトリック教徒は聖書を読んでいるにもかかわらず、神が定めた時と律法を変更したローマ・カトリック(バチカン・イエズス会)に従い、何の疑問も抱かずに偶像崇拝を続けており、プロテスタントはキリスト教シオニズムに惑わされたまま、イスラエル国のジェノサイドを支持し、ミトラ教の日曜礼拝を守っています。

 

我々はこのままで本当によいのでしょうか?


このブログでは、カトリックが種を蒔き、プロテスタントが水をやって育てた「ディスペンセーション主義」「未来主義神学」というサタン(悪魔)の教義がいかにして生まれたのか、その一部をご紹介していきます。


20世紀初頭、アメリカに「新しい聖書」が誕生しました。


それは「ディスペンセーション主義」として知られる神学思想の脚注が散りばめられた代物です。


この聖書は「スコフィールド参考聖書」と呼ばれ、白人の福音派アメリカ人伝道の中核をなすテキストとなりました。


スコフィールド参考聖書の著者「サイラス・インガスン・スコフィールド」は、詐欺罪で有罪判決を受けて刑務所に収監された弁護士であり、妻と二人の子供を捨てた後わずか半年後に再婚し、神学校で正規の教育を受けていないにもかかわらず、自らを「DD」(神学博士)と称したペテン師でした。


それでは何故このような人物が自身の名を冠した聖書を大量に配布するための基盤を築くことができたのでしょうか?


シオニズム運動家であった「テオドール・ヘルツル」は1897年、スイスのバーゼルでロスチャイルド家の支援を受けたシオニスト会議を主催し、シオニストによるパレスチナ奪還計画を練り始めました。


この計画にはキリスト教徒の承認が必要であると認識していたヘルツルは、1904年に教皇ピウス10世に謁見し、計画の実現方法を模索しますが、ローマ・カトリックは協力を拒否します。


余談ですが、現在でもスコフィールド参考聖書は、ローマ・カトリックから忌まわしく冒涜的なものと見なされています。


ところがロスチャイルド家は、カトリックよりもプロテスタントの支持が必要不可欠であると認識していたため、この出来事は彼らにとって何の障壁にもなりませんでした。


それよりも、何とかしてユダヤ人がパレスチナを奪還することを神ご自身が命じたように正当化し、見せかけることができるよう、聖書を改ざんしなければなりません。


しかし、いくらロスチャイルド家に巨万の富と絶大な権力があろうとも、当時広く読まれていたKJV(欽定訳聖書)に手を入れることなど簡単にはできません。


そこで非ユダヤ人であり、金銭で簡単にコントロールできる人物、つまりシオニストにとってはまことに「都合が良いペテン師」であるスコフィールドにお声がかかったのです。


スコフィールドは、ロスチャイルド家所有の英国東インド会社の代理人でもあったフリーメイソンのメンバー「ジョン・ネルソン・ダービー」という人物の悪魔的聖書解釈に影響を受けていたため、シオニストの要求を直ぐに理解して一計を案じ、聖書は改ざんすることなくページの半分ほどの下部に何百もの読みやすい脚注を追加したのです。


この脚注に書かれたものが「ディスペンセーション主義」の教義です。


タイムリーにもKJV(欽定訳聖書)の古い英語の文法は、若い世代の読者にとっては難しくなってきていたため、学生は現代語の脚注にますます頼るようになっていきます。


資金面では1901年、強力なシオニストである「サミュエル・ウンターマイヤー」(アメリカ連邦準備制度の創設者の一人)が、スコフィールドに彼の聖書を書くための資金を提供しました。


ウンターマイヤーは「ディスペンセーション主義」として知られる教義を熟知しており、それをパレスチナ奪還の「大義」のために利用できることを知っていました。


ウンターマイヤーはスコフィールドを「ジェイコブ・シフ」「バーナード・バルーク」など、他にも主要なシオニストの資金提供者に紹介し、これによりスコフィールドの資金は潤沢になり、参考聖書の制作のためにヨーロッパへ長期旅行する余裕もできたのです。


1907年にスコフィールドは、オックスフォード大学出版局のニューヨーク支社で出版契約を結び、彼の参考聖書は、1909年の1月に初めて印刷されました。驚くべき速さです。


それもそのはず、スコフィールドはジョン・ネルソン・ダービーやジェームズ・ブルックスなど、初期のディスペンセーション神学の提唱者から様々な教義を借用していたからです。


しかも、オックスフォード大学出版局はシオニストのユダヤ人が所有していたので、このようなことが実現可能となりました。


その後1917年には、オックスフォード大学出版局によってスコフィールドの参考聖書は何百万部も印刷され、アメリカ中の神学校や教会へと配布されることとなります。


奇しくも時を同じくして1917年、イギリスはウォルター・ロスチャイルド卿にバルフォア宣言を発行するよう説得され、シオニストが第一次世界大戦でアメリカをイギリス側に引き入れることを条件に、パレスチナにユダヤ人の国家を建設することをシオニストに約束したのです。


スコフィールド参考聖書を読んでいた信者にとって、1948年のイスラエル国の建国は、まるで神の預言が成就したかのように見えたことでしょう。


この参考聖書はスコフィールド亡き後も、引き続きオックスフォード大学出版局によってスコフィールド自身が見ても驚愕するような改定を重ねていき、初期のディスペンセーション主義の教義よりも更に発展した、シオニストにとって好意的な脚注が追加されて現在に至っています。


この様な経緯から「キリスト教シオニズム」(後期ディスペンセーション主義)は誕生したのです。


その結果、ダラス神学校を中心にアメリカ中の神学校と教会では、スコフィールド参考聖書が現在でも読まれており、その影響は日本の信徒の間にも根深く浸透し、深刻な霊的問題を引き起こしています。


50年前まで、ほとんどのキリスト教徒は、ヨシュア記に記録されている殺戮を、その特定の時代における特別な出来事として受け入れていました。


一般的なクリスチャンは、イエス・キリストの到来によって新しい契約がもたらされ、神の王国を実現させるための暴力はもう実行されないと信じていました。


しかし、1920年頃にパレスチナでシオニスト運動が始まると、一部のキリスト教徒は新約聖書の原則と十戒を無視し始めました。


クリスチャンは、隣人を殺してその財産を盗むのは間違っていることだと言いますが、ユダヤ人がパレスチナでそれをするなら、それは許容されました。


最初は数千人、次に数万人、そして最終的には数十万人のパレスチナ人が家を追われて殺されました。


彼らの財産は全てシオニストによって没収されたのです。


その内、犠牲者の40%はキリスト教徒であり、その多くは我々と同じく新生したクリスチャンでした。


しかし、アメリカの多くの福音派キリスト教徒は傍観者となり、むしろ殺人者を応援していました。


シオニストは、全ては預言の成就であり、神の摂理であり、許されていることだと言います。


しかし、世界中の何千人もの良心的なユダヤ人がパレスチナにおけるシオニストの侵略に強く反対しているときに、まともな知性を備えたクリスチャンがどうしてそのような狂ったことを支持できるのか、全く理解不能です。

キリスト教シオニズムの主な成果は、大患難前携挙説(秘密携挙)やキリストの二段階再臨、イスラエル国の回復、霊的イスラエルの否定、14万4千人のユダヤ人による悔い改めと民族的救い、加えて教会の軽視やアラブ人に対する人種憎悪があり、これらの教義は様々な方面に爪痕を残し、小説としてもベストセラーとなって映画にもなった「今は亡き大いなる地球」「レフト・ビハインド」「人間消失」シリーズでも多くのクリスチャンの信仰に影響を与え、「ハル・リンゼイ」「パット・ロバートソン」「ジョン・ヘイギー」などの著名な神学者によって支持されることとなり、多くの保守的な福音派教会で主流の見解となっています。


これに伴って「世界統一政府」(バビロン)や「未来に現れる一人の独裁者」(反キリスト)、「獣の刻印」(666)などが陰謀論者の間でも話題となり、もともとあった本来の聖書解釈とはかけ離れた「未来主義神学」として世を席巻していくことになったのです。


これらは全て、元の聖書には存在しない概念であり、スコフィールドとシオニストによって捏造された、ただの「解釈」です。


元の聖書には、新しい神殿を建てる必要も、捧げる犠牲も、中東の土地を回復する必要も書かれていません。


もしスコフィールド参考聖書が出版されていなかったら「トルーマン」「ジョンソン」「レーガン」「クリントン」「ブッシュ」「バイデン」「トランプ」といったキリスト教シオニズムの影響を受けたアメリカ大統領たちは、イスラエル国のジェノサイド政策にそれほど好意的ではなかったことでしょう。


最後にスコフィールドとオックスフォード大学出版局が脚注として加えたナンセンスをいくつかご紹介しておきます。

「国家が反ユダヤ主義の罪を犯せば、必然的に裁きを受ける」
創世記12章3節 脚注

「ユダヤ人を迫害した人々に対しては常に悪い結果がもたらされ、ユダヤ人を保護した人々に対しては常に良い結果がもたらされる」
創世記12章3節 脚注

「全てのユダヤ人はアブラハムの自然な子孫である」
ヨハネの福音書8章37節 脚注

「この悪魔的な父性はパリサイ人だけに限られないことが明らかにされている」
ヨハネの福音書8章44節 脚注

これらの脚注は全て普通に聖書を読んでいれば間違っていることに気が付けるレベルのものばかりです。


そもそも「反ユダヤ主義」などという言葉は聖書に存在していませんし、「罪」は個人の概念であり、「国家」の概念ではないため、イエス・キリストは国家ではなく個人に「裁き」を約束したのです。


これは陰謀論ではなく、検証可能な事実であり、この詐欺を詳細に説明した専門家による著書が複数ありますので、参考文献としてご紹介しておきます。


『The Incredible Scofield and His Book』 Joseph M. Canfield


『Unjust War Theory: Christian Zionism and the Road to Jerusalem』 Prof. David W. Lutz


『Christian Zionism and the Scofield Reference Bible: A Critical Evaluation of Dispensational Theology』 David Lance Dean


いかがだったでしょうか?


私はどこの教会組織にも参加したことはなく、どの派閥にも属さない雑草のような野良クリスチャンですので、ここに書かれていることを信じることなく、自分の信念を曲げないで突き進むことも出来るでしょうが、せめてもう一度聖書を手に取って、素直な視点で読み直してみてはいかがでしょうか?


聖書は難解な書物です。


一生かけて研究する価値のある書物ですが、せっかくなら正しい解釈を前提に読み進めていきたいものです。


私には何のエビデンスもありませんが、先に紹介した参考文献をお読みいただければ、著者の信仰に対する真摯な姿勢から、何かを得ることは出来るはずです。


聖書を中心とした歴史の流れを理解できれば、中東やアメリカの現状を俯瞰して見ることもできますし、世から分離することができるようになると、為政者から送られてくる恐怖に怯えることはなくなります。


神と共に人生を歩む素晴らしさをぜひ探し求めてください。


イエス・キリストの命の中にあってお祈りしています。


アーメン

 

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