カクト

9/23
カクト
2003日本
伊勢谷友介
伊勢谷友介/伊藤淳史/高野八誠/加瀬亮
第4便2本目は、個人的に注目の伊勢谷友介の初監督作品。
同年ということもあって、なんとなく注目してしまう。
ワンダフルライフの是枝裕和監督の初のプロデュース作品で、
「カクト」と同時期に「揺れる」の西川美和監督の初監督作品
「蛇イチゴ」もプロデュースしているらしい。
いずれこの「蛇イチゴ」も見たいのであるが、
在庫切れのためまずは「カクト」を借りてみた。
ちなみに「カクト」というのはストーリーとは全然関係なくて、
伊勢谷友介の所属するチームの名称であるらしい。
この映画のアートワークもこのカクトが行っている。
オープニングのタイトルとか、クラブのシーンで始まるなど、
ありがちな若者の映画?という印象を受け、
少々調子を掴むまで時間がかかったけれど、
中盤から話もテンポよく繋がってきて一気に面白くなった。
俳優達のときどき演技と素を行ったり来たりしているようなリアルな会話とか、
人物をだんだんと絡めて物語を重ねていくことで、
時々起こるあの「凝縮された一夜」の空気感がよく出ていたと思う。
スタイルや話の流れとしては新しいものではないかもしれないけれど、
破滅的でないエンディングが選択されていたことがなんだか嬉しい。
特典映像のメイキングを是枝監督が撮っているのだが(贅沢!)、
初めての監督に望む、伊勢谷友介の飾らない姿が清々しくて、
映画を撮りたいなぁという気持ちが湧いてきてしまった。
サイコ

9/19
サイコ
PSYCHO
1960アメリカ
アルフレッド・ヒチコック
アンソニー・パーキンス/ジャネット・リー/ジョン・ギャビン
第3便2本目は、ヒチコックの「サイコ」。
これも名前ばっかりでいまだに見たことが無かった。
ヒチコック自体2本くらいしかみたことがない。
基本的にミステリーを読むのが大好きである。
ただ映像化されたものはあまりみない。
頭の中でこねくり回す方が性に合っているようだ。
「サイコ」は結構はじめから筋が読めてしまったので、
ミステリーとしての見応えは無かったのだが、
何度となく名シーンとして覚えていた
シャワーのシーンなどを見れたのがよかった。
今のような特殊技術もなければ、
しかけもない時代(予算が少なかったのかも?)、
きっとこのシーンは戦慄を持って迎えられたのだろう。
大脱走

9/19
大脱走
THE GREAT ESCAPE
1963アメリカ
ジョン・スタージェス
スティーブ・マックイーン/ジェームス・ガーナー/リチャード・アッテンボロー
第3便の一本目は「大脱走」。
大学時代に映画の授業で見た記憶があるのだが、
内田樹の本を読んでいて内容を思い出すのに苦心したので、
もう一度見てみることにした。
内田先生の解釈を念頭に見直して見ると、
なるほどそのようにも見える。味方の違いというのは面白いものだ。
最初に見た時には単なる痛快脱出劇くらいにしか思っていなかったのだが。
一番ほのぼのとして楽しかったシーンは、収容所で迎えた独立記念日に、
じゃがいもでつくった焼酎(激マズ?)で国を越えた祝祭をあげる場面。
戦場で敵同士が判り合う…という設定はよくある話だが、
きついジョークまできちんとやりあえるとなると人間まんざらでもないと
心暖まる思いと、戦争の無意味さへの思いにとらわれる。
彼岸花

9/12
彼岸花
1958日本
小津安二郎
有馬稲子/佐分利信/田中絹代/久我美子/佐田啓二
第2便2本目は小津作品「彼岸花」。
「娘の結婚」の原作「晩春」を借りたかったのだけど、
在庫切れでしばらく借りられそうも無い。
しかしこれもまた、「娘の結婚」を題材にしたお話で、
聞く所に寄ると小津作品ではこの題材がかなり多いらしい。
同じことを何度も何度も描くというのは、なんとなく村上春樹の小説っぽくていい。
今度のお父さんは家族の中で、なんとなく孤立した存在。
女3人に囲まれてかしずかれてはいるが、なんとなく居場所が無い。
周りを見れば、どこの娘も奔放な時代。
そんな新時代の女たちを理解を持って眺め、時には応援しながらも、
一歩うちに入ると我が娘の恋愛にけちをつける。
複雑な父心といったところか。
一番印象に残っているシーンは、
家族旅行にきた(これも十八番だろうか)箱根で、
ボート遊びをする姉妹を眺めつつの、夫婦の会話。
父が「2度とあの頃に戻りたくない」という空襲の夜の思い出を、
「でも私は、あの頃が一番幸せだったわ」と微笑む妻。
時代が変わって、希薄になった家族が、
娘の結婚を機にまた少し変わっていくのだろう。
CASSHERN

9/12
CASSHERN
2004日本
紀里谷和明
伊勢谷友介/麻生久美子/唐沢寿明/寺尾聰/樋口可南子
第2便の一本目は、紀里谷和明初監督のCASSHERN。
TVアニメ原作のヒーロー物のリメイク(というか映画版)で、
宇多田ヒカルのプロモなんかで有名な紀里谷監督ならではの、
CGを目一杯盛り込んだスタイリッシュな映画だ。
私は原作の「新造人間キャシャーン」は知らないのだが、
日本アニメに感じられる哲学感とか悲壮感とか、
たかがアニメとあなどれないエッセンスを、
たぶん更にぎゅっと煮詰めてストレートに吐き出したようなストーリーで、
映像以上に描かれているお話が面白かった。
全ての争いを否定すれば、生きることすらも否定することになる。
最後に、やりきれない判断しかねる大きな何かと小さな希望がしっかりと残る作品。
最近映画館で見た作品に,続けざまに伊勢谷友介が出演していて、
なんだか気になって借りてみたのだけど、ますます気になってきた。
お早う

9/9
お早う
1959日本
小津安二郎
佐田啓二/久我美子/笠智衆/三宅邦子/杉村春子
最初の便の2枚目は1959年の小津作品。
白黒だと思って見ていたらいきなりカラーだったので、
これは小津作品の中でも新しい方なのかもしれない。
リメイク版というクッションを挟んでしまったが、
これが私にとって正真正銘の初小津ということになる。
ローアングルで有名な小津監督だが、
この作品で一番目についたのはローアングルというよりも
人物をセンターに持ってきて、左右に人物へと奥行きをつける画面構成。
ストーリーだけでなく、見る人の視線までもさりげなく目的の場所へと誘導する
巧みな構成が気持ち良い。
お話は日本版「大人は判ってくれない」みたいな感じなのだが、
結構コメディタッチで笑えたり、
主人公となる兄弟のやりとりや仕草がかわいらしくほのぼのしていて、
軽い仕上がりの印象。
1959年のどこにでもあっただろう家族と団地のお話だけど、なんだか懐かしく、
自分も感じたことのある子供の頃の理不尽ないらだちを思い出した。
子供としても気持ちもわかり、
同時に今となっては大人としてもわかるこの感じはなんだかはっとする。
娘の結婚

9/9
娘の結婚
2003日本
市川崑
鈴木京香/長塚京三/仲村トオル/緒川たまき/藤村志保
最初の便が届いた。
まずは、ずっと見たいと思っていたけど一本も見たことの無い
「小津安二郎」を借りてみた。
人名検索で出てきたタイトルから、
レンタル可能になっているのを適当に選んでみたら、
そのうち一本はリメイク版であった。
市川崑監督の「娘の結婚」は、小津安二郎の「晩春」のリメイクだそうだ。
初めての小津映画!といき込んでいた出鼻をくじかれはしたが、
これがまたじーんと来るしみじみした映画で、良い。
時代を現代に移してはいたが、セリフまわしや、人物設定、
カメラアングルまで割と原作の雰囲気を崩さずに撮ったものらしく、
ああ、これが所謂「小津調」なのかと新鮮に思われた。
ストーリーも演技も大げさなところのない淡々としたものだが、
リズム良く刻まれていくお話の中で、
見る人の感情の流れを間違いなくひとつに導くような
数学的な気持ちの良さを感じた。
いよいよ小津作品を見てみたくなった。
一番印象に残っているのは、
嫁ぐ娘と京都の旅館で親子二人会話するシーンだ。
これも淡々としたシーンだが、
父のセリフがぐさりぐさりと胸にささり、思わず泣いてしまった。
いきさつ
TSUTAYA DISCASに入ってみた。
借り放題コースだ。
映画は普段、劇場に行って見ることが多くて
レンタルは月に一回するかどうか。
そんな調子でレンタルするなら、定額制のDISCUSは不経済なわけだが、
それでもDISCASに入ったのは、
いまだに見ていない「名作」をちゃんと見たいと思ったからだ。
近所のレンタルビデオ店は小さく、
品揃えは新作メインで旧作・名作が少ない。
しかも、店頭にいくとつい見逃していた新作を借りてしまって、
見ておくべき名作になかなか手が出ない。
サイトに飛んでみると2週間無料御試しコースを実施しているらしい。
借り放題で延滞料金もかからないなら、
のんびり鑑賞できるかと思っていたが、
システムの流れなどを確認して見るとそうでもないらしい。
月額2000円ちょいの料金を、店頭で借りるよりお得に、
しかも元を取ろうと思ったら、月10枚以上は借りたいところ。
しかし、システムでは一度に借りられる枚数は2枚と制限があり、
発注から発送まで、それから返却時にも早くて1日、
おそくて中2日ずつかかる。
目論み通りのんびりとはいかないようだが、
ひと月に何枚見れるのか、とりあえず試してみたい。
借り放題コースだ。
映画は普段、劇場に行って見ることが多くて
レンタルは月に一回するかどうか。
そんな調子でレンタルするなら、定額制のDISCUSは不経済なわけだが、
それでもDISCASに入ったのは、
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近所のレンタルビデオ店は小さく、
品揃えは新作メインで旧作・名作が少ない。
しかも、店頭にいくとつい見逃していた新作を借りてしまって、
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のんびり鑑賞できるかと思っていたが、
システムの流れなどを確認して見るとそうでもないらしい。
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しかし、システムでは一度に借りられる枚数は2枚と制限があり、
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目論み通りのんびりとはいかないようだが、
ひと月に何枚見れるのか、とりあえず試してみたい。
