宇宙からの謎の飛来物によって、人々が塩の結晶に次々と変わってしまう。「塩害」と呼ばれた未曽有の出来に、政府機能は麻痺して残された人々の心も荒んでいく・・・・そんな世界で1つの愛が世界を救う作品でしょうか。

 

元(?)自衛官の秋庭と両親に死なれて孤児となった真奈を中心にストーリーは進行していきます。その中に、いくつかの出来事が軸となって、主人公である秋庭・真奈の恋の行方とともに全体を構成しています。

登場人物で最もアクが強いのが、秋庭の幼馴染でありマッドサイエンティスト?である入江の存在でしょう。読めば読むほどマッドなのですが、端々で真奈をはじめ関係する人々を救っている感じがして、存在感もさることながら、入江こそ主人公なんじゃないかと思うほどです。

 

著者の処女作らしいですね。

そういわれてみると、ストーリーの深みや背景描写の稚拙さとか感じる部分ありますが、ストーリーの骨子がしっかりしているのので、その稚拙さが致命傷になるこなく読み切ることができました。


出版社:角川書店

ISBN :978-4043898039

価格 :734(税込)