半沢直樹シリーズの第二弾。今度はある老舗ホテルに貸した金が焦げ付いたと同時に金融庁からの監査が入るという東京中央銀行大ピンチの矢面に立たされる半沢直樹と出向という形で天下った同期の近藤が天下り先で遭遇する疑惑が絡み合って、銀行内部の政治力学と闇の部分を浮き彫りにする作品です。
 
いつも絶体絶命のピンチに陥りながら、飄々とかわしてやり返す半沢直樹。それを支えるのは、同期の渡真利や老舗ホテルの元社員などです。どんどん周囲を巻き込んで、自分の力にしていくところが、半沢直樹の懐の大きさなんでしょうかね。
 
上司や権力者に向かって、自分が信じる正義を信じて対峙できる半沢直樹ってホントかっこいいです。本書の売上げもそうですが、ファンが多いのもうなずけます。

妻の花も、金融庁の調査官に啖呵切るシーンなんか、いつも夫に対して悪態をつくだけのキャラかと思いきや、半沢直樹と似た者同士なんですね。
 
そうか、「基本は性善説。ただし、やられたら倍返し」という言葉はこの作品から出てきたんですね。ドラマ化されたときに耳にタコができるくらい聞いたフレーズ。

う~ん、半沢直樹かっこいい。

出版社:文藝春秋
ISBN :978-4167728045
価格 :713(税込)