
一週間を超える本番とリハーサルの日々を終えて、今日から久々の連休になります。
来年指揮予定の団体の曲目が決定したり、決定してはいませんが2022年のオファーをいただいたり…感謝の日々です。
先月から読み進めているアンドラーシュ・シフ「静寂から音楽が生まれる」(岡田安樹浩 訳 春秋社刊)、第1部のインタビュー部分には何度も共感する箇所がありました。また、若い頃のハンガリーの(政治的な)様子なども興味深いものでした。第2部のエッセイ集ではごく最近のハンガリーについてのものもあり、私が2015年晩夏にブダペストでの指揮マスタークラスに参加していた頃の事も思い返しました。
(2015年)当初Jorma Panula先生によってブダペストで行われる第1回目のマスタークラスでしたが、先生がご病気のため(現在は勿論お元気で、ブダペストをはじめ各地でマスタークラスを開催されています)、急遽Ed Spanjaard先生が担当されました。MAV Symphony Orchestraを前にして1週間、様々な曲を振らせていただきました。最終日のコンサートでは、シベリウスのフィンランディアを指揮、終演後には涙を浮かべながら感想を伝えそうとするお客様がわざわざお声がけしてくださいました。また、Ed Spanjaard先生が私に「このフィンランディアを、ぜひ日本に持ち帰って演奏するんだよ」と仰ってくださったことが忘れられません。マスタークラス受講中のリハーサルで、ある一つの事を要求させていただいたのですが、それがオーケストラだけでなく、聴衆にまで響き…おそらく、曲の背景にあるものが、ハンガリー国内の出来事と結びついていたのだろうと思われます。残念ながら、その後フィンランディアを指揮する機会がまだ2度しかないのですが、ブダペストにてオーケストラの皆様と創り上げた演奏は厳然と記憶に残っております。
インタビューの中程まで読み進めてきましたので、明日には読み終えることが出来るでしょう。
もう一冊、これから読もうとしているのは、訳書が期待されていた「ブラームスを演奏する」(クライヴ・ブラウン、ニール・ペレス・ダ・コスタ、ケイト・ベネット・ウォズワース著 天崎浩二、福原彰美 訳 音楽之友社刊)。帯にありますように、当時のピアニストや弦楽器奏者がブラームスをどのように演奏していたのかを探る一書。この休日中に読み始められそうです。