2月末の訪問から約5ヶ月振り二度目の大槌町訪問でした。現状はどうなっているのか、前回と同じく槌音プロジェクト代表の臺(だい)隆明さんのご案内で、見てまいりました。
釜石から大槌町へはまだ鉄道復旧には至らず、バスか車での移動となります。
釜石から大槌町に向かうトンネル内は相変わらず土を運ぶトラックで土煙が絶えません。
冬にはまだ撤去中だった水門などの被災物がかなり片付けられ、全体として見晴らしは良く感じます(3月10日付の記事を参照ください。https://www.facebook.com/orchestra8aurora/posts/370065379848992)。
仮設道路から左手、かさ上げされて新しい道路となる盛り土の距離が延びてはいますが、盛り土の強度を増すのに時間が掛かるため、新しい動脈となる道路が出来始めるのは半年ほど先のようです。
漁港沿いに残る被災した防潮堤の撤去は進み、冬に見た印象とも変わってきています。
漁港一部では、製氷工場も出来たおかげで漁船からの水揚げも進むようになったそうです。また、以前からあった船のドックも再開したようです。
冬にはようやく瓦礫を片付け更地になったばかりでしたが、盛り土された区画が拡大していました。ただ、先ほど記しましたように、固まらないと家を建てる事が出来ません。まだまだ時間が掛かりそうです。
前回に比べ、コミュニティーバスを多く見かけました。仮設住宅や復興住宅を含め、町民の皆様の居住区が山側へ幾つにも分散し奥まっているため、欠かせない足の一つです。
小学生・中学生が通う仮校舎へも、マイクロバス10数台が、48ヶ所に分散する子どもたちを送迎しています。
現在、大槌町では町長選と町議会選が始まったところで、行政的には一休み。臺さんの御尽力、御人望もあり、プロジェクトとしては道路や駅、町づくりと共に進行していくだろうとのことでした。
何より幾つものプロジェクトを抱えていらっしゃる臺さんですが、そのパワーには圧倒されるものがあります。今の若者たち、そして子どもたちのために、未来を見据え、例え上や同世代に呼応する者がいなくても、自分はやり抜きますとの強い決意。東北人の男気、一徹さを感じますし、地域の為に一人立つ精神を具現されている、尊敬しても仕切れない、立派な庶民です!
今回は時間が無く立ち寄れなかったのですが、釜石の洋菓子「かめやま」のご主人も、音楽支援に強い情熱を持つ、そんな温かみのある東北人の一人です。
地震による地盤沈下と津波により、幾つかあった砂浜がだいぶ無くなったそうですが、残っている砂浜では今月に入り海開き。
臺さんからお聴きしたエピソードですが、震災後、海に近寄ろうとする、ましては入る子どもがいなかった…昨年ドイツから交流で訪れた高校生たち、日が経てば言葉は分からずとも仲良くなれますでしょう、そんな彼らが砂浜から喜び勇んで海に入り遊ぶ姿に、決して自分から海に近づこうとしなかった大槌の子どもたちも自然と海辺での水遊びを一緒に楽しんでいたそうです。。。
大人たちが日々の生活に追われる中、子どもたちが必要としているのは、同世代はもちろん、大人たちとのコミュニケーションの場のようです。もちろん大人たちにも必要でしょう。
そんなコミュニケーションツールのひとつとして、音楽の持つ偉大な力に注目し、人が集まれる場としての音楽ホール実現を謳う「槌音プロジェクト」。まだまだ時間は掛かるでしょうが、末長く応援していきます。
そして、ホール落成の暁には、このauroraのメンバーでバスを借切り大槌町に向かい、第九を高らかに演奏させていただきます!
臺さん、今回もありがとうございました!
さぁ、みなさん、最高の演奏会にすべく、頑張りましょう♪
https://www.facebook.com/events/337237736438495/
第3回 東日本大震災復興支援「真夏の第九」チャリティーコンサート
日時:2015年8月16日(日) 開演14:00
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
主催:Aurora
共催:槌音プロジェクト、NPO法人Mother Board「日本の道」
指揮:阪本正彦
演奏:Orchestra Aurora &Chorus Aurora
独唱:Sop.加藤千春、Alt.小谷円香、Ten.渡辺大、Bar.増原英也
曲目:J.シベリウス/交響詩『フィンランディア』、L.v.ベートーヴェン/交響曲第9番『合唱付き』
全席自由席 1,000円(チケットお問い合わせは、orchestraaurora1912@gmail.com まで)