『あ』『ん』の大門に一歩踏み入れた瞬間、何かがオレの中を突き抜けていく感覚を覚えた。
走馬灯のように、あの頃の情景が脳裏を巡る。

ここは、木ノ葉隠れの里。
オレの生まれた地。
そして、オレが捨てた地。

「久しぶりだな」
「ああ」

本当に久しぶりだ。
もうこの土地に帰ってくることはないと思っていたし、むしろ帰る気など最初からなかった。

里を抜け、兄を殺し、仲間を傷つけ…
そんなオレがこの地に再び足を踏み入れることが許されるものか。
もしオレを引き留めたのがアイツでなければ、自ら死を選ぶつもりだったが…

「やはり死ぬべきだったのか」
「はは、何物騒なこと言ってるのよ」
「オレは此処に戻る資格などな「サースーケーーー!!!!」…ッ……」
「戻る資格を決めるのはお前じゃなくて、アイツ等でしょ?」

遠くに目立つ金髪と、桜色の髪が揺れている。
それはだんだんと近づいてきて、ハッと気が付いたときには力強く抱きしめられていた。
あまりにも勢いよく飛び付かれたものだから、思いっきり後ろに倒れてしまった。

「ッこのウスラトンカチが…!」
「うわうわうわうわ!ウスラトンカチだって…ははは」

オレに馬乗りになって盛大に笑うバカにつられるように、サクラとカカシも目を細めるものだから、なんだか拍子抜けしてしまった。
何がおかしいんだと言うようにキッとナルトを睨むと

「お前は何も変わってねぇってばよ!」

そう言うと、おかえり、と泣きそうな顔でパッと笑った。
それは太陽を向くひまわりのように温かくオレの胸を照らしたような気がした。



火影といろいろな手続きをして約一週間、ようやくオレに里での自由が与えられた。

とりあえず住まいの確保をしなければ。
火影には慣れるまでナルトかカカシの家に居候するのを奨められたが、もちろん断った。
人と行動するのは得意ではないし、迷惑かけるのもイヤだった。

記憶を辿って、昔オレが住んでいた家に行くと
あの頃のまま、建っていた。

「はっ…仕方ない、か」

中に入ると、ひどい散らかりようだった。
ホコリとかそういうもんじゃなくて、落書きや故意的な荒らしがすさまじい。

「はは、は…『里の裏切り者』か。大正解だ」

他にも壁や床に『死ね』『人殺し』『里の恥』だとかカラフルな色使いで色々と書かれている。

どれも事実だ。反論など出来ない。
全部オレの侵した過ちなんだから、今更言い訳じみたことをするつもりはない。
里に戻るのだって、こうなることを理解した上で決心したんだ。

なのに、なんだ?この虚無感は。

「ははははは…っはははは、は…」

渇いたオレ一人の笑い声が、部屋に飽和した。
私の趣味全開ですWWW
こういう精神的にクる話しは個人的に書きやすい◎

ちなみに私は臨也側の人間ですね。
愛されてないと不安になって、すべての矛先を自分に向けちゃうタイプ。

血なんて嫌いなのに自傷して、フラフラして泣きわめいて…
でも、好きな人にはそんな自分を助けてほしい。

こんな我が儘な臨也が私は可愛くて仕方ないです(^q^)WWW
もちろん男前静雄も大好きだし世話焼きな新羅も可愛いセルティも大好きです///

お粗末様でした!
「飲み過ぎたらどうなる?」
「吐き気とか、目眩とか、頭痛とかは一般的だよ」
「そうか…」
「下手すれば意識不明で死んじゃうけどね」

でも、そんなのは今出回ってる薬だったら滅多にない。量も300錠以上は必要になる。

そんな物騒なことを真顔で言ってのけると、ベッドで無防備に眠り続けるイザヤを見て一言、

「彼も愛されたいんだろうね」

この言葉が一人分の寝息にユラユラと溶け込んだ。



イザヤが起きたのは翌日の昼前だった。

家の主は出かけていて、オレしかいない部屋に「シズちゃん」と渇いた声が響いた。

ベッドに走り寄ると、泣きそうな顔で笑っているイザヤ。その膜を張った双眼には、こいつと似た表情のオレが写っていた。

「気分はどうだ?」
「大丈夫だけど、ゴメ「バカノミ蟲っ…!」

気づくと、ベッドに横たわるイザヤに横から抱き着いていた。
首筋に顔を埋めると、あーとかうーとかオロオロ慌てる声が聞こえるが、関係ない。

「もっとオレを信じろ」
「え?」
「このくらいでお前を嫌いになんねぇ」
「うん」
「ナイフも護身用だ。自分を傷つけんな」
「ゴメ「謝んな」
「…うん」

そして、最後に一回しか言わねぇからよく聞けよ?

「愛してる」
「っ」
「同棲するぞ」
「う、ん…っ!」

イザヤとのキスは、かさついた涙の味がした。