久しぶりにシズちゃんとゆっくりする時間ができた。
ずっとこうするタイミングを見計らってたんだけど、情報屋っていうのもなかなか忙しくてね。
今日も夜からはちょーっと自殺のお手伝いがあるから、シズちゃんとデートできるのは夕方まで。
ほんっと、オレとシズちゃんの大事な時間を邪魔するなんて迷惑な客だよ。
死ぬときまで人に迷惑かけるなんて、ありえないね。
「一人で死ねよ」
小声でそう愚痴って、人混みに紛れながら60階通りを歩いていると、金髪にバーテン服を着込んだ長身の恋人が遠くに見えた。
まだ待ち合わせの時間まで15分もあるのに…
さすがシズちゃん。めちゃくちゃ可愛いことしてくれるね。
「クククッ、予定変更」
シズちゃんを少し観察してみることにした。
とりあえず場所移動したいところだが、これ以上近付くとシズちゃんにあるイザヤ様レーダーが働きそうなので、ここから観察することにする。
まあここからだと顔もよく見えるし、人の邪魔になることもないからいいか。
シズちゃんに目をやると、携帯の時計を何度もチラチラ確認していた。
黒い服を着た人間が近くを通る度に顔を確認していて、ちょっと…かなり可愛い。
改めて、シズちゃんってウブなんだなーって思った。
見た目はすごく厳ついのに、自分の能力を嫌っていて、こういうことにも疎いし。
恋人だってオレが第一号らしい。
でも、これは仕方ないことなんだろうね。シズちゃんって力の加減が苦手だから、もし付き合ったときに女の子を傷付けるのが怖かったんだろう。