3月のスタジオ発表会に向けて
各クラスで作品を創っている。
コンクールを目指している育成クラスの作品は
無音の中、手を叩いて同じリズムを
全員で刻むところから始まる。
とても高度な事を目指している。

「同時」に手を叩く。
それだけの事が本当に難しいのだ。

最初は、その事が難しい事だという
認識もなかった子供達が
練習を重ねていくうちにリズムを
揃って刻めるようになってきた。

だが、今日のレッスンで子供達が叩く音が
軽く薄っぺらく聞こえるのが気になった。
暫く見ていると、手を叩くタイミングが
合う事だけに注意しているのが分かった。 
タイミングが合っているだけで
それは「同時」ではない。
「全員で一緒に」手を叩いている訳ではないのだ。

そこで、
『手を叩いていた時に何を聞いているのか?
何を感じているのか?』
と質問してみた。
もちろん全員、
「は……???真顔汗
と固まってしまった。

私の質問がどういう事なのか
頭の中がグルグルと回りながらも
何度もやってみる子供達。
次第に
「叩いた時の振動を感じる」
「叩いた後の音の余韻が聞こえる」
と、なってきた。
また、人に「合わせよう」とすると
「その人は、その場に居ない」
という事も見えてきた。

そうやって色々な事を感じながら練習していくと
子供達は、いつの間にか
立ち姿が美しくなり
手を叩く音も厚みが出ていた。