本日、掲題の記事が、ネット配信されました。今回は、その前半を紹介します。

 

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生涯のパートナーを探す「婚活」。そのサービスを提供する業界大手に今春、公正取引委員会が調査に入った。「婚活プラットフォーム(PF)」事業をめぐり、公正な競争をゆがめた疑いがあるという。何が問題視されたのか。PFはどんな仕組みなのか。

 

会員数8万人、業界をリードする企業に走った動揺

 「会員数も成婚数もNo.1」「最適な結婚相談所を見つけられます」――。婚活サービス大手・IBJ(東証プライム上場)のホームページにはこんな文言が並ぶ。

 IBJは2006年の設立以降、ネット上で異なる結婚相談所の会員をつなぐPFを整え、事業を拡大してきた。そのPFが、結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」だ。

 同社のホームページによると、ツヴァイやサンマリエなどの大手を含む全国約3800の相談所が加盟。会員数は8万人を超え、「国内最大級の婚活PF」(業界関係者)に成長した。民間信用調査会社によると、同社の売り上げは22年12月期で約70億円に上る。

 婚活業界を牽引(けんいん)する企業に動揺が走ったのは、3月23日だった。加盟相談所やほかのPF事業者の取引を妨げたとする独占禁止法違反の疑いで公取委の立ち入り検査を受けたのだ。

 関係者によれば、IBJは2016年ごろ以降、加盟相談所に対し、ほかの連盟に加盟した場合、自社のPFを使った会員の紹介をしないようにしたとされる。

 公取委が婚活業界に調査に入るのは初めてとみられる。IBJは同日、「検査に全面的に協力する」などとのコメントを出した。

 複数の業界関係者によると、IBJは検査翌日、加盟相談所に対し「会員様が迷惑を被ることを回避すべく、直営としてお見合いを組まないようにしたことが(公取委に)問題であると考えられているようだ」としたうえで、「現時点でご提供のサービスやシステムが停止されるような想定はしていない」と説明したという。

 

加盟相談所「問題があるなら説明と改善を」

 加盟する相談所からは不安の声が上がる。東京都内の相談所経営者は5年ほど前に開業し、連盟に入った。理由は、会員の多さと企業への信頼だ。「会員が多ければ多いほど、マッチングの機会を増やせる。IBJは上場企業で安心感もある」と話す。

 ただ、異変も感じていた。昨秋以降、IBJ側から特定の競合する連盟に加盟する相談所について「お見合いを取り次がない」と伝えられ、実際にIBJのシステムの一部が利用できなくなっていたという。「連盟のコンプライアンスは本当に大丈夫なのか、心配。問題があったのなら、当局の調査結果を待たずに自らきちんと説明して改善すべきだ」

 

(以下、次回投稿にて)