昨2023年はアルバム発売20周年、30周年、40周年にあたる作品集を改めて取り上げるつもりが、諸々の理由で頓挫してしまいました。
いわゆる十進法で『✕0』周年になるレコードが対象です。
一例を上げると、1973年発売の「ピアノ・マン」と1983年発売の「イノセント・マン」を比較しようとしたら上手くゆかなかった…。
いずれもビリー・ジョエルの代表作ですね?
また、ロバート・プラントの「プリンシプル・オブ・モーメンツ」(1983年)やスティングの「テン・サマナーズ・テイルズ」(1993年)も同様。
前者は解説しにくかったのと、後者は過去に散々取り上げたのも記事にできなかった理由です。
特に「テン…」はスティングの作品中最も気に入っており、取り上げるなら別のレコードを選ぶべき…との思いがありました。
ところで、今年は2024年。
1974年、1984年、1994年発売の楽曲集が対象となります。
そこで昨年矢沢永吉さんの「I am a Model」(1983年)関連の記事でご協力頂いた、人気ブログ執筆者コウジさんに再びお願いしました。
以前から読者登録して下さっている方でもあります。
私:昨年はブログ記事作成等で大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
昨年と同じ流れの企画で恐縮です。
つまり『今年アルバム発売○十周年』を数える作品を対象とし、矢沢永吉さんのアルバムの感想をお聞かせ頂けますか?
1974年「キャロル・ファースト」、1984年「E'」、1994年「the Name Is」、勿論2004年「横顔」でもいいですよ。
コウジさん:こんばんは!お疲れ様です。
こちらこそ、昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
さて本題ですが、所謂『今年✕十周年』にあたる作品の中では、勿論「E'」がダントツで好きです。
リアルタイムでは当然知らないのですが、この作品も昨年取材を受けた83年作の「I am a Model」のように小さい頃から聴いてるので、作品そのものよりも当時の思い出が詰まってるという点で思い入れのある作品です。
私:なるほど。
「E'」を21世紀に入ってから愛聴された訳ですね。
同時代の音楽と比較して違和感ありませんでしたか?
個人的には1984年を象徴するような音作りが苦手…でも好きと言われるファンのお気持ちも理解しています。
コウジさん:「E'」という作品はA面がリゾート感覚でB面が都会的なアーバン・スタイルな感じがしませんか?
A面の“あの夜”とB面の“棕櫚の影に”を入れ替えたら、まさにそんな感じになると思います。
これは、サウンドの感触とかよりも完全に僕の勝手な主観での意見です。
というのは、まだ僕が小さかった頃、父親とのドライブで夜の阪神高速を走った際にこのアルバムを聴いたのですが、“BALL AND CHAIN”や“罪なデマ”といった曲が夜の大阪の風景に見事にマッチしていたように感じたからです。
音楽的な感想ではなく申し訳ないです。
私:とんでもありません。
特定の楽曲から特定の風景が浮かんでくるという感覚は素晴らしいと思います。
コウジさん:ちなみに、2009年にガルル・レコードから紙ジャケ仕様でワーナー・パイオニアと東芝時代の作品が再発された際に、真っ先に購入したのがこの「E'」でした。
それぐらい思い入れの強い作品です。
私:あれはとても残念でした。
LP時代と同じく三色揃えられずとも、せめて二重になった変形ジャケットだけは再現してほしかったですよ。
歌詞の面では、“GOOD LUCK!!”が西岡恭蔵さんらしくて気に入っています。
サウンドもさほど機械的ではなく、永ちゃんのヴォーカルもパワフルでしょ?
コウジさん:“GOOD LUCK!!”の歌詞にはかなり共感しました。
この曲は、1人の女性を巡って親友と三角関係になり、その女性と親友の幸せを願って自分は身を引くという内容の歌ですよね?
学生時代にまさに経験しました。
その時は、この曲を何度も聴いて涙を流したのを覚えています。
今でもこの曲を聴くとあの頃の事を思い出します。
幼少期〜学生時代の思い出が詰まってるという点でやっぱりこのアルバムを推したいと思います。
私:歌詞に感情移入出来るのは大切な要素ですよね。
メロディやアレンジは異なりますが、80年代版“親友”と言えるかもしれません。
最後に、ライヴで披露された時の印象は何か残っていませんか?
無論“GOOD LUCK !!”に限定しません。
他の収録曲でも…。
コウジさん:いや、“GOOD LUCK !!”、実はライヴ体験あるんです!
一昨年のツアーでの“GOOD LUCK!!”を聴いての感想になりますが、アレンジは1996年ツアーと同じで、アルバムとは違い、ホーン・セクションのイントロではなく・ギター・リフとホンキートンク調のピアノで始まる感じのアレンジです。
どちらかと言うと、ブギーに近い感じでした。
1996年のツアーも見に行ってるのですが、全く覚えてなくて、後にDVDを見返して『こんなアレンジだったのか』とわかりました。
ちなみに、一昨年はエンディング等のパートにサックスだけでなく、その他ホーン・セクションが加わり、96年よりもサウンドが分厚くなって迫力があったのが印象的です。
私:全然演っていないようで何度か歌っているのか…。
私は、自分が聴いた1987年冬のツアーだけと思っていました。
コウジさん:それと、2018年の京セラドームで披露された“棕櫚の影に”も印象的です。
それはアレンジがどうのとかではなく、歌う前にファンからのリクエストの手紙を永ちゃんが読んだ際に『ずっと昔、大切な人が好きだった曲です。今はもうその人と永遠に会えなくなりましたが、この曲を聴くとその人を思い出します』っていう趣旨の手紙だったと思いますが、そのリクエストの手紙を読んだ後に、この曲のイントロが流れた時はちょっとウルッと来ました。
私:わかりますよ。
話の中に出てくる曲が何かわからないで惹き込まれてゆき、イントロが聴こえた瞬間に全ての謎が解けるという流れですね。
今日はどうもありがとうございました。
身近に双子ちゃんいる?
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