カンパニー・スリーヴ | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

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一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

私はリブログというものを試みたことがないため、これで正しいのかどうかわかりませんが、とにかくやってみましょう。

1983年1月31日は矢沢永吉さんのシングル“ROCKIN' MY HEART”が全米発売された日です。

前作の「YAZAWA」(1981年)が世界発売だったのに対し、今回は全米発売と微妙に異なっています。

また、“ROCKIN' MY HEART”は「It's Just Rock'n Roll」(日本1982年、米国1983年)の先行シングルですが、「YAZAWA」からはシングル発売はなかったのでしょうか?

後者が世界発売であるならば、特定の国で独自にシングルを出していても面白いと思います。

そうやってある国もしくは地域で人気が出る例もあるでしょ?

 

さて、“ROCKIN' MY HEART”ですが、これにはピクチャー・スリーヴが付いたのか否か。

リブログさせて頂いた元記事から判断すれば、付属しなかったのは明らかです。

発売された週に『Billboard』から推薦曲10作のうちのひとつに選ばれたのは有名な話。

ならばピクチャー・スリーヴが付属しているのと付属していないのとでは、読者に与える印象が変わるでしょう。

例えば、皆さんが音楽誌を読まれている時、『今月の新譜』欄にてシングル曲の紹介記事を読んでいるとしましょう。

その際、ジャケットが載っているのといないのとでは興味に温度差が生じると思う。

カンパニー・スリーヴだとどんな曲なのか、どんな歌手なのか想像しにくい。

と言って、シングル盤をジャケ買いする人はそう多くはないかもしれません。

飽くまで名刺代わり~それも大切~の意味で必要かなとは感じます。

 

私はレコードの蒐集家ではないので、あんまり専門用語を知りません。

でも、『レコード・コレクター』誌や他の人のサイトを拝見しているうち、いくつか覚えた言葉も少なくない。

例えば、上記の『カンパニー・スリーヴ』。

『カンパニー・スリーヴ』とは、我が国のシングル・レコードで言えば、ディスク本体が入っているメーカー共通の内袋のこと。

なぜ『我が国の』と形容詞を付けたかと申せば、日本のシングルレコードはジャケットと内袋が別になっており、インナー・バッグはメーカー共通のものが使用されます…と単純には言えない。

同じキング・レコードでも同時期に出たジリオラ・チンクェッティとローリング・ストーンズとは少し異なっています。

オーラはSEVEN SEAS、ストーンズはLONDONと系列が違うために違いが出たのでしょう。

また、当然オーラのレコードであっても時期により意匠の違いはあります。

しかし、時期や歌手により同じレコード会社で差異があっても、曲に合わせて作られたジャケットではありません。

話は逸れましたが、『我が国の』と申したのは要するに内袋とジャケットが別になっている点を強調したかったからです。

 

矢沢さんが当時所属していたワーナー・パイオニアのカンパニー・スリーヴというと、同系列のアトランティック、エレクトラ、アサイラム、ワーナー・ブラザース、そしてパイオニアのロゴが印刷されていました。

色は青と白の二色刷りです。

私は基本的に殆どシングルは買いませんが、ワーナーに関してはレッド・ツェッペリンのシングルをいくつか購入しており、そこから確認しました。

ツェッペリンもご多分に漏れずカード・ジャケットとレコードを収納するための一般的なカンパニー・スリーヴが付くだけでした。

もっとも、『一般的なカンパニー・スリーヴ』とはおかしな表現ですね(苦笑)

とにかく繰り返し申し上げるように、カード・ジャケットは日本が独自に考案したシングル盤の装丁です。

『Card』と『Company Sleeve』との組み合わせ…。

 

話を米国に戻します。

米国では初回盤シングルは直刷りのピクチャー・スリーヴにディスクを収める仕様です。

つまり、ジャケットとインナー・バッグとを兼用する形です。

ただし、一定の枚数が売れたり、ある程度の時期が経つと無味乾燥なカンパニー・スリーヴに差し替えての販売となる。

あとは無名の新人があまり大きくない会社からレコードを出す時は、初手から直刷りジャケットが付かないかもしれません。

理由はどうあれ、最初からカンパニー・スリーヴに入れての発売となると、話題に上りにくい気がします。

 

『ピクチャー・スリーヴ』と申してピンと来ない方は、キャロルのEP~シングルではなくコンパクト盤~を思い浮かべて下さい。

あれはLPの縮小版でもあり、ジャケットと内袋が兼用されています。

そう、文字通りLPの縮小版と言ってよく、ビニール袋にディスクを入れてから仕舞う形式までそっくり。

違うのは、LPで使われているのがかなり頑丈な厚紙であるのに対し、EPのそれは非常に薄い紙がジャケットになっている点。

だから、長年所有している間にピクチャー・スリーヴが変形する場合が多い。

変形は言い過ぎでも、フロント・カヴァーにレコードの丸形が浮き出て印象を悪くしてしまいます。

米国やその他の国で出ているシングル盤のジャケットも基本的に同じ~ただしディスク本体はセロファンの袋に入れず直接仕舞う。

それでもやはりシングル盤を購入するのはピクチャー・スリーヴがあった方が嬉しいですよね。

キャロルのみならずEPの装丁は、ほぼ必ずピクチャー・スリーヴであり、カード・ジャケットにはならない。

キャロルの例を出したのは、“ROCKIN' MY HEART”が主題だから、わかりやすくするためでした。

 

英国では長い間シングルに独自のスリーヴを付ける習慣がなかったようなので、英国の話は今回は抜き。

飽くまで記事の話題は米国です。

と言いつつ、1980年代になるとその英国でさえ直刷りジャケットの採用が当たり前になりました。

米国で直刷りジャケットが一般的になったのはいつ頃でしょうね?

坂本九さんの“上を向いて歩こう”が1963年に米国で発売された際は、ちゃんとジャケットが付いていました。

無名の、しかも異国の歌手のレコードを売るのにカンパニー・スリーヴだけだったら、あれほどヒットした?

恐らくピクチャー・スリーヴの有無とは関係なく、ヒットしたでしょう。

ヒットの理由は私もよく存じ上げませんが、少なくともジャケットの存在ではなかったと思います。

“スキヤキ”はキャピトルからの発売だったため、きちんとジャケットを付属させたのと同時に、曲調から『売れる!』との判断があり、会社も力を入れたはずです。

 

エレクトラ/アサイラムも決して小さな会社じゃないですがね。

せめて独自のスリーヴを付けるくらいの配慮が欲しかった。

 


 

 

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Ibaraqui, le 31 janvier 2019