ジェフ・ベック…夢のあと | 愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

愛は限りなく ~DIO, COME TI AMO~

一粒の雨にさえ心揺れることもある。いつもどんな時も心閉ざさずに…。

7/8公演当日、いつものように開演間際の会場到着でした。

着席すると、かかっていたBGMはスライ&ザ・ファミリー・ストーン

“ファミリー・アフェアー”

なるほど、いかにもジェフ・ベックらしいと納得(^_-)。

今でもジミ・ヘンドリックスへの愛情を隠すことのないジェフですが、

ジミを好きならスライが好きで当然でしょうね。


皆さんはこんな経験はないでしょうか?

ジェフがカヴァーした曲が自分も好きだったとか、彼のカヴァーがき

っかけで原曲を聴きその演奏者の存在を知ったとか…。

私は両方の経験があります(^^)v。

まずはカーティス・メイフィールド

「ベック・ボガート&アピス」(73年)では、“アイム・ソー・プラウド”「フラ

ッシュ」(85年)では“ピープル・ゲット・レディ”をカヴァーしました。

いずれもカーティスのインプレッションズ時代の作品。

「BB&A」は発売当時に聴いたわけではないけれど、それでも私の大

好きな曲が入っているので、大喜びしたものです(単純?)。


“アイム・ソー・プラウド”はカーティス云々は別としても、アルバムの

中では名演といってよいでしょう。

ジェフのギターはエコーをかけているのか、随分優しいトーンでコー

ドとオブリガートを基本的にギター一本で巧みに表現しています。

そして、エンディングではそれまでと対照的にディストーションをかけ

て(アンプで歪ませた?)さらりと弾いているのに注目。

ただ残念なのは、ギターの音をきちんと録れていないこと。

本来こうした繊細な音は、細心の注意を払って録音されねばならな

いのに…。

他の収録曲についても、これは当てはまります(大なり小なり)。


“ピープル・ゲット・レディ”は「フラッシュ」のロッド・スチュワートの歌

唱も素晴らしかったですが、89年の演奏が私には最高です。

この時は、ギターで本来のギター・パートと主旋律(ヴォーカル・パー

ト)まで演ってしまいました。

原曲のメロディを踏襲した部分もありますが、新たな解釈を加えた

パートも少なくなかったと思います。

どちらかと言えば、“グッドバイ・ポーク・パイ・ハット”をカヴァーした

手法に似ているかな。

でも演奏を聴いて、カーティスへの愛情を感じられたのが何よりも

嬉しかったです。

まあ、これは私が両者のファンなので、こんな風に思うのかもしれま

せんが…。


最後に、“グッドバイ・ポーク・パイ・ハット”について。

この曲はご存知「ワイアード」(76年)収録曲で、チャールズ・ミンガス

の作品です。

同曲を聴いた当初から、“哀しみの恋人達”と同じく私のお気に入り

となりました。

テーマのメロディも憶えやすいし、おまけに起承転結が明確!

まだ十代だった私は即座に嵌まってしまいました(^^)v。

しかし、カーティスとは違い、チャールズの名前は知らなかった。


その後チャールズ・ミンガス自身の原曲も聴きました。

同曲主題の部分は、基本的にあまり変わりません。

勿論、原曲の方は管楽器が受け持っているので、印象は異なる。

でも、メロディ・ライン自体はジェフも尊重して演奏していたことがわ

かりました(アドリブ・パートはまさにジェフの独壇場)。

私が同曲を聴くために買ったのが「ミンガス・アー・アム」(59年)。

しかし、これ以外にも個性的な曲は多数ありました。

とりわけ、“ベター・ゲット・イット・イン・ユア・ソウル”“グッドバイ…”

に並ぶ名作と言われていますが、本当にその通りだと思います。


ジェフの音楽を聴いていなければ、チャールズ・ミンガスを知る機会

もなかったかもしれません。

その意味では、ジェフが橋渡しをしてくれたことになるのかな。

彼がカヴァーしたものには、確かに傑作が多いですよね。

原曲を聴く価値も大いにあり(*^_^*)。



ジ・インプレッションズ
ピープル・ゲット・レディ~ジ・インプレッションズ・プレミアム・ベスト


Ibaraqui, le 12 juillet 2005