今回は、質感表現という演出を考える実習です。
モノの硬さ、柔らかさ、つまり剛性という質感のの違いを考えます。
左図のような動きの違いをアニメーションで表現する際、
どんな要素が質感表現を決めるのかを考えます。
振れる幅(振幅)、ゆれの収まり方(減衰)、変形の大きさなどで 質感の違いを表現していきます。
最初に、硬い素材のアニメーションです。
大切な事は、動きをつける前に、どう動かすのかを想像することです。
今まで観察してきた経験が問われます。
まぁ今回は、そこまで大げさではありません。
硬い素材なので、「ビビビビン」と、細かく、素早い動きを想定して作っていきましょう。
Photoshopで、500x30pixel程度の長方形を作り、
AfterEffectsに読み込み、配置します。
コンポジションは、640x480pxl、30fps、デュレーション0:00:03:00です。
※AfterEffects内の長方形ツールを使っても良いのですが、
この後の作業、パペットピンで不具合が出てしまうので、
Photoshopで作成したモノを使います。
アンカーポイントツールを使い、
アンカーポイントを長方形の左端に移動させます。
左端を中心に回転することになります。
アニメーション作業をする際、タイムライン左に表示された三角形を
クリックすると、各プロパティが現れキーフレームを打つことが出来ます。
しかし、全てのプロパティが表示されると、作業スペース的に困ります。
その際、ショートカットキーを使うと、任意のプロパティのみ表示する事ができます。
[a]アンカーポイント [p]位置
[s]スケール [r]回転
[t]不透明度 [u]時間変化する要素のみ表示
Shiftキーを押しながらで、複数表示が可能になります。

まず、15fでそのままキーフレームを打ちます。
0x+0.0とは、0回転、+0.0度を意味します。

次に18fに進み、+10度傾けます。
最初にキーフレームを打ったので、
以降値が変化すれば自動的にキーフレームは打たれます。

19fに進み、-10度傾けます。
1フレームで変化する、素早い動きです。

後はひたすらキーフレームを打っていきます。
ただし、振れ幅は、徐々に減衰し、最後は元の位置に戻しましょう。
この振れ幅の減衰具合、揺れている時間などで、
どんな素材かが表現出来ます。

赤丸の箇所をクリックして、グラフエディターにします。
左図のように、回転のグラフが減衰しているでしょうか?
グラフの値は、直接動かすことができますので、調整してください。
調整後、この例では、イージーイーズをかけて滑らかな動きにしています。

再度、グラフエディターボタンを押して、元のタイムラインに戻ります。

モーションブラーを掛けます。
タイムライン内の赤丸は、
レイヤー毎のモーションブラーON/OFFを切り替えます。
上側の赤丸は、コンポジション毎のモーションブラーON/OFFです。
両方共ONでないと、モーションブラーは見ることができません。
完成動画です。
次に、柔らかい動きです。
「みよよよよ~ん」な感じの動きを作っていきます。

先ほど、作った硬い素材のコンポジションを複製します。
そして、stick.psdをタイムラインでクリックして、
エフェクト>色調補正>色相/彩度 を適用します。
すると、エフェクトコントロールパネルが開きます。
わかりやすいように、色を変えておきます。
使い方は、Photoshopと同じです。

パペットピンツールを使います。
このパペットピンを使えば柔らかい変形が可能になります。
機能としては、Photoshopのパペットワープと同じです。
ビットマップで描いたのものを、メッシュ化して自由に動かすという機能です。
AfterEffectsでは、アニメーションを作ることが出来ます。
stick.psdを選択した状態で、メニューバーの赤丸部分「パペットピンツール」をクリックします。
カーソルがプッシュピンに変わりました。
大体でよいので、stick.psdに左端、中央、右端と3点を打っていきます。
この黄色い点を動かすと、変形することができます。
まだ、黄色い点は動かさないで下さい。

タイムラインに"エフェクト"、"メッシュ1"というプロパティが現れました。
"メッシュ1"の横の三角形をクリックしていきます。
変形>パペットピン3、パペットピン2、パペットピン1と開くと
ようやくキーフレームが3つ見えて来ました。
こういう時は、ショートカットキー"u"をクリックすれば、
キーフレームのあるプロパティのみが表示され、便利です。
パペットピンは、ピンを設置したタイムライン上の場所に キーフレームが自動的に打たれます。
これはとても重要な事です。

回転のキーフレームの場所に合わせて長方形を変形させていきます。
パペットピンの位置を動かせば変形し、キーフレームが打たれます。
この例では、硬い素材より、ゆっくり動かそうとしているので、
予め、回転のアニメーションの時間間隔を広げてから作業しています。
左図のように、中央と右端のパペットピンのみ動かします。
1つずつアニメーションさせていきます。

硬い素材の時と同様に、モーションブラーを加えます。
完成動画です。
質感表現の非常に簡単な例でした。
質感を表現する時は、本物の特徴をよく観察する事が大切です。
普段からモノの動きを意識して見ていくと、
「全てがアニメーションに見えてしまう病」に罹ってしまいます。
そうなれば、あなたは良いアニメーターになれるでしょう。
では。
