某日早朝、 遠くの民家に立つTVアンテナ。 自室の窓より、 そこに止まる烏を見た。 周囲をキョロキョロ見回したり、 羽を繕う姿は遠目でも愛らしかった。
何より、 君は風見鶏宛らに見えた。 プレミアな一時。
同じ物に、 全く別の視点を見出す。 より好きになる。
自然に暮らす生き物が、 躍動している。 凡ゆる種族が共存している。 運が良ければ目にする貴重な一面。
命は限られている。 一生の内に食べられるご飯も、 胃袋に詰められるその量も。 起きていられる時間も。
もう捌き抜けないや! と感じたら、 自ら手放す事も余儀なくされる。 取捨選択の連続に辟易しかねない。
それでも、 死んだら何1つ持って行かれない。 記憶と魂だけが現世を離れ、 物体は残らず置いてけ掘り…。
貧富の差に関わらず、 これだけは例外無く皆平等。
それでも、 どれだけ生きたかは区々。 幼くして他界する子、 しぶとく図太く長生きする者、 残酷な神の仕打ちを偶に恨み、 されど遺されたら今後も進む。
時の流れは絶対でも、 生き様にルールは無い。 時の話題に挙げられ、 チヤホヤされたい。 今後の未来を護りたい。 我等の故郷に貢献したい。 その為には、 一切の労力だに惜しまず、 直向きに頑張り続ける…。
然し、 休みが必要なら、 何らかによる思し召しで余儀なくされた場合、 御自愛願う。 真面目過ぎて自己犠牲の挙句、 廃人になりかけた奴がいた。 回復に向けての闘いは、 実に険しい。 本人の苦痛を解らねばならぬ立場も、 自分本位の鬱陶しさで厳しく突っ撥ねた。 当事者同士でも解り合えず、 面倒な奴等は有無を言わさず排除あるのみ。 悲しき本能が先走る。
ぼくの年齢で衰えるには随分早い。 やりたい事は盛り沢山。 精神的にも鍛え直し、 これからを無駄なく過ごそう。 様々な経験を重ね、 自信の糧にしたい。