言葉という名の凶器を知っているか? 何気ない一言が、罵倒へ成り代わる。言葉を操る以上の宿命と知った。
表面上だけの了見、やれ差別・偏見につながる。氷山の一角だけしか解らないから、言葉尻や助詞の1文字でも反感を買う。自分の事だけで精一杯、他の事はどうでも良く、逆上せていた。周りを見ようとも試みなかった。
だからこそとは言うが、興味を持った以上は訳を知り抜こうとした。意味を解り尽くそうとした。何の情報もなかった当時から、時を経て正体が徐々に明かされる。そんな裏が張り巡らされていたのか…。皆が衝撃を受ける。
それでも矢張り許せない。知り抜く度に、可哀相な奴だったんだなと共感する。比例して同情に値できなくなる。
生い立ちに恵まれてなかったとは言え、やった事は紛れもなく罪だから。悪い事は駄目でも、それに追いやらせた運命がまた憎い。誰か助ける者はいなかったのか? 何も解らずして守る価値はなかったのか? 匙を投げ、諦め、事が進展しなかった結果、大勢の人間が恐怖に追いやられた。逆に申せば、苦しめた奴等が'原因'…、お前等の所為で惨劇のスイッチは練られていた。別に肩を持つ訳でもないが、今、この見解だけは言わせてくれ。
巡り巡ってお前等に振り被ったとばっちり。今の状況はお前等が作り上げたと言っても過言じゃない事実を丸ごと受け止められるか、今現在のお前らに。「何それ?」 そう言ってとぼける気か? 自分の過ちから逃れたいか?
自分は無関係な心算で、素知らぬ顔、涼しい表情している奴。一生、記憶に無い侭でいるんだな…。寧ろ忘れて生きるがいい。どうせ、その悲劇には直接関わってないんだから。詰まりは何も解らず命を全うする事。
それでも、いるんだろうな、知人がその手を罪に汚し、悲しみに暮れている輩も…。その傷をぼく達はどうすればいい? 何か方法は無いの? やるせない侭泣き寝入りたくない。そうさせるものか、差し伸べてやるからな。