香港を発つ最終日、
スーさんのiPhoneを買いに香港の秋葉原と呼ばれるシャムシュイポーに出かけました。
そのあと、白髪が目立ってイライラしてきた私の
「髪を染めたい!」の一声で安い美容院が連なるエリアに徒歩で移動。
どの美容院にしようとウロウロしていたら
「髪染め&ブロー HK$13 (約1800円)」の店発見。
店の中はどんな感じかしら?と窓から覗いていたら、
たまたま外に出ていたと思われる美容師のお姉さんが後ろに立っており、
中国語で「いらっしゃーい」とドアを開けてくれました。
私は間違って髪を切られちゃ困るので、
私の白髪部分と看板を交互に指さしながら「13ドル?13ドル?」を連呼。
(そうだよ、いいから入れ)顔のお姉さんに椅子に座らされました。
同時に私のお財布にもう香港ドルが無かったので、
「1時間後に戻ってきて」とスーさんを銀行にやりました(ひでー嫁)。
お姉さんがカラーサンプルブックを開いて「選べ」と私に突き出したので色選び。
そこからサクサク毛染めが進み、気づくと頭にラップを巻かれていました。
手際が良過ぎて感心したけど、
私の隣の席でお姉さんともう一人のスタッフが交互に座っては、
あの悪名高い「ドリアン」をうまそうにすするのは感心しませんでした。
いかにも香港、て感じですけどドリアンは好き嫌いが激しく分かれ、私はアンチです。
例えると、1週間同じ靴下で砂漠を歩き周った直後の足の臭いがします。
スーさんはドリアンLOVEですが、
「フランス人の腐乱死体の臭いがする」とここでもフランス人を陥れることを忘れません。
その後シャンプーとブローをしてもらい、無事髪は綺麗に染まりました。
お姉さんも満足そう。
さてお勘定、と行きたいのですが、銀行にやったスーさんがまだ戻りません。
たまたま後ろの椅子で髪を切ってもらっていた男性が英語を話したので、
「夫がお金を持って戻って来るのであと10分ほどここで待たせて欲しいのですが」
と言うと、男性はお姉さんに中国語に訳する前に勝手に
「いいですよ」と返事してくれましたが、どうやらお姉さんには伝わった模様。
その男性もすぐに店を出、もう一人のスタッフも出かけてしまい、
気付くとさっきまで混み合っていた美容院は私と美容師のお姉さんだけになりました。
お姉さんはスタッフルームに消えると、
なぜか骨付きの蒸し鶏が大量に入ったドンブリを手に戻ってきました。
私に向かって首をクイっと持ち上げ「食べなさい」
え?手づかみ?でもうまそーーー!
それから2人無言で鶏をムシャムシャですよ。
香辛料が利いていて、中華独特のやや黄味かかった美味しい蒸し鶏でした。
お姉さんは「これも2人で分けよう」と
葉っぱで巻かれた特大中華ちまきをナイフで2つに切り分け、私にくれました。
豆がいっぱい入っていてはっきり言って重い、でもうまい!
右手に蒸し鶏、左手にちまき。
段々お腹が満たされるのを感じつつ、
私あと数時間後には香港を出るのに、美容院で鶏齧るってなにこれ。
ちょっと遠い目になってしまったのも事実です。
それは他人が見ても変な光景だったようで、
「ちょっと女将!なにやってんの???」
やっと戻って来たスーさんの第一声がこれでした。
タピオカミルクティーを手にして。女子か。遅れた理由はこれか。
でもいい美容院見つけた。また行こう。