先日同じマンションに住むトルコ人夫婦の自宅に招かれ、午前2時まで飲み明かしました。
お宅に到着するや、「ワイン飲む?自家製のワインがあるんだけど」
確か先日も別のトルコ人から「自家製のワインをプレゼントする」と言われたばかりだったので、
「このマンションでは自分でワインを作るのが流行っているのか?」
と私とスーさんの疑問をそのままぶつけたところ、
「あー、それってKじゃない?Kは師匠なの。彼がワインの作り方を教えてくれて、去年初めて作ったのが最近出来上がったのよ」
そう言って、日本だと東京の合羽橋でしか見ないような巨大なお玉を持ってきました。
お玉部分が原チャリのヘルメットくらいあります。
ブドウを買って、マンションの非常階段で発酵させ、
こうやってお玉で搔き混ぜた、と実演してくれました。
足で踏んでいなかったと知り、私としては(だったら飲める)と胸をなでおろしましたよ。
冬の間は、地下の駐車場で熟成させていたそうです。
ワインを飲みつつ話は多岐に渡り、とても楽しい夜でした。
「トルコに3年以上住んでいるのに、今だビザがすんなり取れない。トルコ政府に歓迎されていると思えない(I don't feel I am welcomed)」
と私が愚痴ると、ご主人が
「僕たちトルコ人ですらそう思っているんだから、外国人の女将は当然だよ、気にするな!」
爆笑と共に励ましのコメントをくれました。
その後も、ご主人は何かと「we are not welcomed」を連発していて、
あー、この人たちはトルコ人だからゆえに私以上に、
今のこの状態にすごくフラストレーションが溜まっているんだなと思いました。
スーさんがここ最近よく冗談で「カディキョイ共和国」って言葉を使うんですが、
私たちが住むエリアを含めたカディキョイって、
国民投票で現れる「国民の総意」と反対側に居る人達が多いです。
英語を話す人が多いし、留学や仕事で海外経験がある人が多い。
コミュニケーションが取りやすいし、
それは自然、彼らの意見をダイレクトに聞く機会も多くなります。
彼ら、特に子持ちの人たちは子供の今後の教育をすごく心配しています。
(最近聞いた話では、宗教的にNGとかでダーウィンの進化論が教科書から消されたとか。まあ、どこの国でも、日本も含め、多かれ少なかれ似たようなコントロールはされていると思いますけど)
国に失望した彼らは、だからって自分が今の政治を変える!なんてリスキーなことはせず、
海外に移住することを考えます。資金もあることですね。
私の歯医者さんもアメリカに移住したし、このご夫婦もアメリカを見据えています。
旦那さんはMBA保持者でカナダに暮らしたこともあるのですが、
カナダは寒いからアメリカ!って酔って何十回も連呼していました。
私たち夫婦は所詮トルコに一時的に住まわせてもらっている立場なので、
出来ることなら色々な立場の人の、色々な話が聞けたらと、
ここでの滞在のゴールテープも見え始めている現在思います。
あと招待のお返しに今度はこちらが招待したいのですが、
さて、何を料理しようか、ですかね。
やっぱ日本食よねー、となると私としてはそっちの心配の方が実は大きいです。