夏の間だけ開いているマンションの屋外プールを頻繁に使っていると、
自然、他の住民との交流が広がります。
いつも日焼けを避けて水面が陰っている朝か夕方に泳ぐようにしているんですが、
水温が低めなのでこの時間帯はほぼ貸し切り状態。
でも週末は他の人とバッティングすることが良くあります。
日中はボウフラのように湧き出る子供たちがプールを占領するので、絶対に利用しません。
躾がなってないのが多すぎて、私こっちの子供苦手です。
私が彼らのテリトリーに入ることはないので、
あなたたちも私のテリトリーに来ないで、といつも思っています。
向こうもこっちの来るなオーラを察知するのか、
なんとなく私の事、遠巻きに眺めています。
それでいい。近づくんじゃない。
でもスーさんは人気で、スーさんとプールに行くと、次々に子供たちが声をかけます。
このマンションに住む外人は私達夫婦だけなので、
遊園地の着ぐるみ扱いだと思っていますけど。
大人たちはそういうこともなく、意外と英語を話す人たちが多いので、話がはずみます。
その中の男性、私が密かにトルコのDRAKE(ドレイク。アメリカのラッパー)と呼んでいる、
やや目の間隔が開き気味のお兄さん。
たまにジムで顔を会わせていたので私は顔見知りだったのですが、
スーさんを交えての会話はこれが初めてでした。
このドレイク氏、
「うちに自家製のワインが100本以上あるので、1本プレゼントします」
「自家製?」
「ええ自家製」
「それって、ワイン農場が持つブドウ畑のブドウの木をあなたが何本か所有していて、毎年そこからワインを送ってもらってるの?」
「いえ、自家製です(キラリ)」
「自家製、完全なる自家製」
「はい」
その途端、私の脳内で、
「むっすめさん、よっく聞けよ~♪」
的なのどかな民謡が流れる中、
スカートをたくしあげ、
タライの中に積み上がったブドウを足で踏み踏みしている、
どこかの本で見た、どこかの国の昔の風習のイラストのようなものが浮かんでしまい、
しかもそのブドウを踏んでいるのは頬っぺたが赤い娘さんではなく、
目の離れ気味のドレイク、というギャップに、
(それって、飲んでいいのか?)と思った次第。
まだワインは私の手元に届いていませんが、
もし届いたら、私も飲兵衛のはしくれ、
日本とトルコの友好関係の為にも、
これは飲まなきゃいかんと思っています、ハイ。