(前記事からのつづき)

レストランを出た私たちはその足で病院に向かった。

痛みの感覚は20分から30分になっていたが、
医療の手助け無しに、
これから10時間を超えるフライトに耐えられる自信が無い。

それ以前に朝からずっと「感染」の2文字が頭から離れず、
この痛みの原因がはっきりするまでは自分、
この国を出ちゃ行けないんじゃないかと考え始めていた。
(下手すりゃヤフートップニュースになるかもしれないのだ)

病院の受付で
「この国の住人ではない」ことと朝からの症状を伝えると、
「なら救急センターで医師の診察を受けて下さい」

救急センターではまず体温チェックを受け、
その後、病院内の3畳ほどの一室に通された。

「先生が来るまでベッドに横になってるように」と言われ30分ほど待たされた。

救急とはいえ盗み見た私のカルテにはオレンジのシールが貼られていたから、
赤や黄色より優先順位が低かったようだ。

ERさながらにバタバタ医師達が駆けつけ、
胃洗浄とか心臓マッサージとか心電図とかを施される自分をちょっと想像したけど、
スーさんと2人ぼーっ。

その間、廊下を挟んだ別室で子供がどうやら縫合中らしく、
ものすごい悲鳴と泣き声を延々聞かされ、
南アフリカは英語なので会話丸分かりなのも手伝い、
これから己の身に起こるであろう、
ああいうことやこういう事を勝手に想像して青くなった。

医師が現れた。
専門用語を早口で話すので、志村の顔で「え?」を繰り返す私。
スーさんがいてくれて助かった。

診断の結果は「脱水症状」。

驚いた。

前の日の私はほぼ1日、ホテルに籠ってマンガを読んでおり、
出掛けたのは夕飯になってからだから
お日様にあたっていない。

もちろん汗はかいたが都度水分補給したつもりだったのになあ。
あれじゃ足りなかったのか。

「これから痛み止めの入った点滴を施しますが、
 尿と血液検査もします。おしっこ出ます?」
「炭酸水をちょっと飲んだだけだけど、がんばります」

点滴は黄色い液体でそれに何本かのアンプル剤も加えられた。

「1リットルなので約1時間です。その間ゆっくり寝てる事」

この時点で私たちのダーバン滞在延長が確定した。

本来なら今の時点で私たちは飛行場の搭乗ゲートに居なくてはならなかった。
点滴が終了する頃には飛行機は既に飛び立ったあと。
病院に向かった時点で分かっていたことではあるが。

飛行機は1日1便しかないので、
運が良ければ翌日、悪ければ数日後の帰国になるだろう。
いや検査の結果いかんではそのまま入院になるかもしれないので、
まずはスーさんの職場と猫たちを預けているシッターさんに連絡。

ダーバン、、、住めることなら住みたいとすら思ったが、
まさかこんな展開になるとは。

私は無職のお気楽主婦だから別に1週間だろうと1か月だろうと延長結構でも、
さすがにスーさんは無理な話。

点滴の途中、リアーナ似の看護師が採血しに来た。

あっという間に2本採ったので思わず、
「早いな」と口にすると
「あなたの血、勢いハンパない」となぜかウィンク付きで返された。

幸い検査結果は問題なく、点滴後に無事解放された。
それからあわただしく、

翌日の飛行機チケットの予約
レンタカーの延長
今夜のホテルの予約
猫シッター&会社への連絡を行った。

すべてスーさんが。

その際も色々トラブルあり(クソクレジット会社)、
そのストレスで医者から「何か食べなさい」と言われたものの、
フライドポテトを数本食べるのがやっと。
8時半にはベッドにバタンキューと長くて痛い1日だった。

こんなことがあったけどまた遊びに行きたいと思っている。

花応援よろしくです→にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ にほんブログ村 海外生活ブログ トルコ情報へ 花