ピンポーン♪
グダグダな日曜の突然のベル。
モニターを覗くと
おっさんとおばはんが口を開けてエントランスドアを見つめていた。
「アポ無し訪問者は基本シカト」の我が家の掟に従い知らん顔する。
その数分後にスーさんの携帯に、
「大家だけど、今そっちにいるんでお邪魔してもいいですか?」
あのおじさん大家だった。
でもなんでアジア側に住む大家がわざわざ日曜にヨーロッパ側のこちらまで来たのか。
なんだか怪しい。
考えられるのはこのアパートが売れたことくらいで、
それはつまり私達の引越しの可能性を示唆するわけで
一気に暗澹たる気持ちになる。
しばらくして大家のご主人と奥さん、
それと一人娘のお嬢さんがやってきた。
顔を合わせるのは実に1年振りである。
3人とも我が家のイギリス家具(&端々に和風。相撲の番付表とか)のインテリアに目を凝らしている。
私にはなにやら大層なプレゼントをくれるし、
3人とも上機嫌なのがかえって不安にさせる。
「何か飲まれます?コーヒー?それとも冷たいもの?うちトルココーヒーが無いのでネスプレッソのエスプレッソになっちゃいますが」
私が台所に逃げている間、
営業&饒舌モードに入ったスーさんの弾丸トークが遠くから聞こえる。
途中、客嫌いのヤム(猫)がひょっこり姿を現し、
奥さんと娘さんの前でかわいいポーズをする。
「きゃーかわいい♪」
バチバチ携帯で写真を撮る母娘。
私達の窮地を猫なりに感じ取ったのかもしれない。
結局のところ私達が懸念した売却決定のお知らせではなく、
ただのご機嫌伺いだったと判明。
多分今日が大統領選挙だったので、
投票しに前に住んでいたこのエリアの投票所に来たのでは、
というのが私達の予想である。
世間話は続き、
娘さんが最近結婚したという話になった。
「それはそれは、おめでとうございます」
「だって前に見なかった立派な指輪されてるんですもの、そうじゃないかなーって思ったの、あたし(←私の思いっきりおばちゃん発言)」
娘さんがTVプレゼンターをされているのは前から知っていたが、
どうやらトルコのなんたらってテレビ局の、
なんたらって健康番組を持っていたらしい。
(トルコの番組全く見ないものでなんたら連発で申し訳ない。大家さんの言いっぷりから日テレ&テレ東クラスと思われる)
旦那さんも同じテレビマンで、
これまたトルコのなんたらってテレビ局の(でもライバル会社らしい。フジ?朝日?)
スポーツ番組の制作担当とか。
旦那の職業はいいとして、
私とスーさんが反応を示したのが、
娘さんが「健康番組を担当していた」という点。
というのも実はスーさん、
現在骨折のため自宅療養中なのだ。
「健康番組ですか。僕も今回の骨折で色々考えさせられました」
というのも最初行きつけの総合病院Aで診察を受けたスーさん。
ほぼ決定の口調で医者から
「明日ボルトを埋め込む手術をします」
と言い渡された。
でも保険会社とのやり取りに時間がかかり、
2日後に手術で話がついて家に戻ったのだが。
「セカンドオピニオンを聞いたほうがいい」
会社のトルコ人スタッフ達の強い勧めもあり、
別の総合病院Bに赴いた。
幸いにもそこにはスーさんの会社スタッフの知人が外科医として勤務しており、
彼が直接診てくれた。
そしたら
「手術しなくても、(時間はかかりますが)固定で治せますよ」
ボルトをねじこまれたくないスーさんはすぐさまそのセカンドオピニオンに飛びつき、
病院Aに電話をかけて手術をキャンセルをした。
病院Aは
「そうですか。保険会社とも話がついたところだったんですが」
でもその手術費用100万円単位だったわけ。
いくら保険会社がカバーするとはいえ、
病院ボロもうけだろう。
しかもその手術、本当に必要なものなのかすら今となっては怪しいのだ。
「トルコでは残念ながら、誰からの紹介も無い患者は、すぐ手術で処理されます」
TVプレゼンターであるお姉さんは顔を曇らせてそう言った。
イギリスでは逆に無料医療だから
医者がやるべきこともやってくれない傾向強しなんだけど、
トルコはアメリカ方式。(日本も同様??)
医者は金儲け主義なので注意せよ、らしい。
あーい、良く分かりました!
それが分かっただけでも突然の大家襲撃は意味があったのかもしれない。
応援よろしくです→

グダグダな日曜の突然のベル。
モニターを覗くと
おっさんとおばはんが口を開けてエントランスドアを見つめていた。
「アポ無し訪問者は基本シカト」の我が家の掟に従い知らん顔する。
その数分後にスーさんの携帯に、
「大家だけど、今そっちにいるんでお邪魔してもいいですか?」
あのおじさん大家だった。
でもなんでアジア側に住む大家がわざわざ日曜にヨーロッパ側のこちらまで来たのか。
なんだか怪しい。
考えられるのはこのアパートが売れたことくらいで、
それはつまり私達の引越しの可能性を示唆するわけで
一気に暗澹たる気持ちになる。
しばらくして大家のご主人と奥さん、
それと一人娘のお嬢さんがやってきた。
顔を合わせるのは実に1年振りである。
3人とも我が家のイギリス家具(&端々に和風。相撲の番付表とか)のインテリアに目を凝らしている。
私にはなにやら大層なプレゼントをくれるし、
3人とも上機嫌なのがかえって不安にさせる。
「何か飲まれます?コーヒー?それとも冷たいもの?うちトルココーヒーが無いのでネスプレッソのエスプレッソになっちゃいますが」
私が台所に逃げている間、
営業&饒舌モードに入ったスーさんの弾丸トークが遠くから聞こえる。
途中、客嫌いのヤム(猫)がひょっこり姿を現し、
奥さんと娘さんの前でかわいいポーズをする。
「きゃーかわいい♪」
バチバチ携帯で写真を撮る母娘。
私達の窮地を猫なりに感じ取ったのかもしれない。
結局のところ私達が懸念した売却決定のお知らせではなく、
ただのご機嫌伺いだったと判明。
多分今日が大統領選挙だったので、
投票しに前に住んでいたこのエリアの投票所に来たのでは、
というのが私達の予想である。
世間話は続き、
娘さんが最近結婚したという話になった。
「それはそれは、おめでとうございます」
「だって前に見なかった立派な指輪されてるんですもの、そうじゃないかなーって思ったの、あたし(←私の思いっきりおばちゃん発言)」
娘さんがTVプレゼンターをされているのは前から知っていたが、
どうやらトルコのなんたらってテレビ局の、
なんたらって健康番組を持っていたらしい。
(トルコの番組全く見ないものでなんたら連発で申し訳ない。大家さんの言いっぷりから日テレ&テレ東クラスと思われる)
旦那さんも同じテレビマンで、
これまたトルコのなんたらってテレビ局の(でもライバル会社らしい。フジ?朝日?)
スポーツ番組の制作担当とか。
旦那の職業はいいとして、
私とスーさんが反応を示したのが、
娘さんが「健康番組を担当していた」という点。
というのも実はスーさん、
現在骨折のため自宅療養中なのだ。
「健康番組ですか。僕も今回の骨折で色々考えさせられました」
というのも最初行きつけの総合病院Aで診察を受けたスーさん。
ほぼ決定の口調で医者から
「明日ボルトを埋め込む手術をします」
と言い渡された。
でも保険会社とのやり取りに時間がかかり、
2日後に手術で話がついて家に戻ったのだが。
「セカンドオピニオンを聞いたほうがいい」
会社のトルコ人スタッフ達の強い勧めもあり、
別の総合病院Bに赴いた。
幸いにもそこにはスーさんの会社スタッフの知人が外科医として勤務しており、
彼が直接診てくれた。
そしたら
「手術しなくても、(時間はかかりますが)固定で治せますよ」
ボルトをねじこまれたくないスーさんはすぐさまそのセカンドオピニオンに飛びつき、
病院Aに電話をかけて手術をキャンセルをした。
病院Aは
「そうですか。保険会社とも話がついたところだったんですが」
でもその手術費用100万円単位だったわけ。
いくら保険会社がカバーするとはいえ、
病院ボロもうけだろう。
しかもその手術、本当に必要なものなのかすら今となっては怪しいのだ。
「トルコでは残念ながら、誰からの紹介も無い患者は、すぐ手術で処理されます」
TVプレゼンターであるお姉さんは顔を曇らせてそう言った。
イギリスでは逆に無料医療だから
医者がやるべきこともやってくれない傾向強しなんだけど、
トルコはアメリカ方式。(日本も同様??)
医者は金儲け主義なので注意せよ、らしい。
あーい、良く分かりました!
それが分かっただけでも突然の大家襲撃は意味があったのかもしれない。




