先日MORGAN(モーガン)というスポーツカーをレンタルする機会があり
土曜の朝早々デボン地方まで足を運んだ。

私は車のことは全然分からんので
最初服のブランドと勘違いしてスーさんに白い目で見られたが、
スーさんにはこのスポーツカーにひとかたならぬ思い入れがある。

というのも若かりし頃のスーさん、
モーガンが欲しくてやっとのことで予約リストに名を連ねることが出来たものの
諸事情で泣く泣く諦めざるを得なかった過去があるのだ。

予約権を別の人に『売った』と言っていたが
そんな取り引きが存在する点からも、
いかに入手困難な代物であったか私でも想像つく。

スーさんの無念を覚えていた義両親が
『モーガン半日レンタル』のクーポンを送ってきたのが去年の誕生日。
満を持して先週念願のモーガン乗車と相成った。


-英国発- 女将タイムス


-英国発- 女将タイムス




私たちが半日オーナーとなったのがこちら。

-英国発- 女将タイムス



-英国発- 女将タイムス

実際売りに出されており、価格は26,000ポンド。(約350万円。Used)


-英国発- 女将タイムス

サイドブレーキの頼りなさを見よ。
案の定、坂道発進を失敗し、
後方に連なる幾台もの現代車(バス含む)の失笑を買った。

「僕が車に乗り始めた頃はこれが普通だったけど、
こうして何十年経ってみると
車がどれだけ進化したか良く分かるなー」

ギアチェンジのたびに左肘をガツガツ私に当て(とにかく狭い)

「クラッチとブレーキペダルが近過ぎで同時に踏んじゃいそう」

恐ろしいことを嬉しそうに言い、

「やばい晴れてきた!帽子帽子!」(オツムがほぼ無毛ゆえ)

偶然にも別のモーガンと遭遇したときも
相手に向けて笑顔で親指を立て、

「ほらね、モーガンのオーナーはみんなフレンドリーなんだ」(あなたは半日レンタル)

上機嫌なスーさんとは逆に私の機嫌は悪かった。

足元から吹き付ける強力なヒーターのおかげで心配していたほど寒さは感じない。
足も思い切り伸ばせるし
飛行機のエコノミー席のほうがつらい位だ。

ただ今朝洗い立ての髪が発車からずっとメデューサのように逆立っていて
既にブラシも通らない程からまっているのは確実。
帽子を忘れたのは私のミスだけど
我が愛車ヴィッツならこんなストレスとは無縁かと思うと複雑だ。

プリングルスの蓋が座席近くに落ちてしまったのだが
体を動かせないので探せない。

サイドミラーから背後に連なる現代車が良く見える。
ああ、また坂。
さらに後方の列は長くなるだろう。

「ああいい気分。さあ女将一緒に歌を歌おう!ララー」

それより排気ガスの量が心配。

私を決定的に打ちのめしたのは
パブでの休憩から戻った時だ。

「これはひょっとして鳥のウンコ、、、、、ですか?」

これでも食らえとばかりに
今まで見た中でもダントツ最大級の鳥の落とし物が
なぜか私の座席のみスポットオン!
鳥たちの嘲笑が聞こえるようだ。

一体私が何をやったというのだ。

土曜日にわざわざ朝5時半に起き、
旦那に付き合って曇天を屋根無しでドライブしているだけじゃないか。

見上げた妻だと感謝されるならまだしも
待ち受けていたのは漫画のようなオチ。
しかも使い尽くされ、手垢満載な。

「この上に、私のおニューのダナカランのスカートを乗せろと?」

怒りで震える私を
笑いで震えるスーさんが慰めた。

「これも経験のうちってことで」
「私はヴィッツが恋しいよ」

私のテンションはこれで一気に底にたどりつき、
途中、スーさんの友人とバトンタッチ。
彼女はこの突然のドライブに大喜びであった。

(そりゃそうだろ、世代がスーさんと同じだもん)

ひとりごちつつ、友人宅のベッドで昼寝を決め込む私であった。

-英国発- 女将タイムス

今思い返すとそれはそれで楽しい思い出だよモーガン。
さよなら、また会う日まで。


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