いまさらではありますが、我が家の夫婦の会話は全て英語です。
スーさんが日本語しゃべれないのが、その理由です。

でも正直言うと、ちょっと不満なんです。

女将だけが、常に会話の不自由さを強いられるなんてさ。

夫婦ってのは同等なんだから、スーさんが日本語を話しちゃいけない理由は無い、というのが女将の持論です。

でも今からスーさんに日本語を習わせて、日常会話レベルまで持って行くなんて、来世に持ち越しでもしない限り無理な話。

女将としてはいささか不本意ながら、現実的に考えた結果、夫婦間は英語となっています。でもたまに、

「こちとら、第一言語は英語じゃないのよね」

と愚痴りたくなる時もある。すると必ず、

「またまたー、女将の英語は上級レベル!!」

と持ち上げられる。

これが第三者からの言葉なら、「ありがたきお言葉。恐れ入ります」ってなるけど、
旦那さんには、そこで終わって欲しくないんです。

妻が抱えるハンディキャップを、常に頭の片隅に置いておいて欲しい。

いくら英会話力が上がっても、外国語には変わりないんだから。

例えイギリスの滞在年数が、日本のそれを上回ろうとも、例え自分の日本語が徐々に怪しくなろうとも、例え全身の血をイギリス人の血と入れ替えようとも、やはり日本語が女将の母国語だと思っています。
この不満は、この先ずっと続くと思う。

そこで、ある日の会話。

女将はスーさんに、ある事柄について話そうとしています。

「ねえ、おととい前庭の雑草抜いてたらさ、あのほら、あれよあれ、去年すっごく伸びて困ったやつあったじゃん、あれの芽がもうたっくさん出ててさー。やばいって慌てて抜きまくったよ。じゃないとあっという間に伸びて、去年の二の舞だもんね」

「え?なんの話?」

「だから、すっごくトゲトゲの長いヤツで、去年エライ目にあったやつ。」

「全然分からない」

「分からないじゃなくてさ、イチゴ、イチゴが生るの。普通森で採れるのに『やばい、自分ちで採れちゃう』って、『それ自慢することじゃないし』って話したじゃん、あれよあれ」

「全然分かんないよ。そんなのあったっけ」(既に興味なし)

「スーさん、あなたには忍耐想像が必要だっていつも言ってるよねむかっ

女将の演説モード、オン!

「こっちは、なんとかブツを伝えようって、もどかしい気持ちでイライラしながら、持ってるボキャブラリー駆使して説明してるわけよ。それを何よ、ふーん、分かんない。終わりですか?え?これで会話は終わりですか?スーさん、あなたの妻は外人なの。外国語で説明しているの。例え不十分な説明でも、そこから想像力を駆使して、こっちの努力を汲み取るのが、パートナーの務めでしょ。違う?こっちは不自由な思いしながら、それでも夫婦の会話を、会話を作ろうと、、、、それをですね」

「分かった、分かった、ボクが悪かった。えーっとなんだっけ、トゲトゲでイチゴだっけ」

「さっきからそう言ってるでしょ。トゲトゲで長く伸びて、イチゴが生るんだよ」

「よし、今から想像力を使います。精一杯使います!うーーーーーん、うーーーーーん、、、、、それはもしかしたらbramblesのことかな?」

「そうです。その通りです(涙声)」

「なんだー、bramblesだったかー」

「ですからね、私が最初からその単語を知っていたら苦労しないわけです。bramblesが伸びたから切った、話は簡単です。私だってそれがなんだか知っているんです。キイチゴだってね。日本語なら分かるの、たったの4文字だって。でも英語では分からない。だから苦労して説明して、、、お願いだから簡単に切らないで、想像力使ってよー。あと忍耐力、もうちょっと養って」

「シカとひきうけた」(本当かよ)

女将が胸を張って言えること。

忍耐と想像力、国際恋愛の場合、相手にコレを働かす気持ちがあるかないかで、会話の円滑度に大きく差が出ます。


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