(日本土産話に舞い戻り中)

熊本から島原までの移動はフェリーを使った女将とスーさん。
海好きスーさんのために、クソ寒いのにわざわざ外のデッキ席を陣取りました。

右手では3人の男性が、スナック菓子をかもめにやっています。

男No.1  ゆるめパンチ。年の頃50前半でリーダー的存在。菓子も彼のポケットマネーからと推察。

男No.2 ゆるめリーゼントのちびGパン。20代後半。彼としては『イケてる』Gパン、それに合わせたドカ靴。別名『イケてる』ブーツ。サングラスがことのほか似合っていない。推定身長150。

男No.3 痩せノッポ20代前半。上記2人の下っ端のようで、終始敬語で会話する。

そんな3人からお菓子を得ようとフェリーに伴走するかもめ、およそ100
バサバサ翼の音を立てて忍耐強く旋回を続けているが、方向を間違えればこっちに突進しそう。

(ハタ迷惑な)

鳥嫌いの女将は、苦虫を噛み潰す思いで発泡酒をあおりました。

しつこく、しつこく餌を与え続ける3人。
出港から1時間近く経ち、熊本から伴走を続けるカモメ達の息もたえだえです。

(いい加減、仕舞いにしてやったら?)

ため息と共に女将が思ったその時、

「やったぞ!!!!」

男No.2、チンケなグラサンが奇声を発しました。
目を向けると、彼の右手にはカモメ。
餌を貰おうと追い続ける一羽を、あろうことか捕まえてしまったのです。
男3人に包囲され、デッキでバサバサ羽音をたてる哀れなかもめ。
ほとんどパニックに陥っています。

「(がるるるるるるるるっ)むかっ

瞬時にして、スーさんの怒りのレベルが上昇していくのが、横にいる女将に伝わってきました。

「%&$#‘?~@XXX!!!むかっむかっ

なにやら英語でつぶやいています。耳を良く澄ますと、

「おい、てめえ。てめえのそのチンケでだっさいブーツを海に放りこんでやる。
ブーツを捨てた後は、チンケでちびのお前を海の上で逆さ吊りだ。
せいぜいもがき苦しめ。
このチンケが!」

海と船をこよなく愛するスーさん、それに付随するかもめもしかり。

「まー、まー、チンケはチンケなりに生きてんだからさ」

必死で宥める女将によって、やっと正気を取り戻したスーさんでありました。
さもなきゃ、まじでチンケのブーツをむんずと掴んで海に放り投げているところでした。

やい、チンケ。

命拾いしたな。ありがたく思え。





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