スウェーデン人のカリンさんに、シンガポール滞在中に言われた仰天事実を、皆におすそ分けしたい。

「あのね、うちのカール(14歳の息子)ったら、去年日本に行って以来すっかり味噌汁にはまっちゃってんのよー。ほら!」

カパっと冷蔵庫を開けると、ありました、ありました。生味噌に申し訳程度のワカメが入っている、小袋サイズのインスタント味噌汁。しかもかなりの大量買い。ガイジンの子供にしては渋いチョイスだと思ったが、悪い気はしない。カリンの言葉は更に続く。

「最近はお湯注ぐのももどかしがっちゃって、このままチューーっよ」

へ?そのまま?

「そうなの。あとトーストに塗るのも好きなのよねえ。これって日本人はやるのかしら」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

味噌はピーナッツバターではありません!!

「あーのー、日本人的にはアウトです」
「そうよねー。やっぱそうよねー」
そう言うとカリンは当のカールを捕まえて言った。
「ほら、女将がそれは日本人はやらない、って言ってるわよ」

質問: それに対してカールはなんと言ったでしょうか?

答え:
「だって僕日本人じゃないし」(顔色変えずに言い放ちました)

くそガキ、何てチャレンジャーなおぼっちゃんだこと。誰に向かって言ってるのか、分かってんのかしら。
あなたの名前なんて、日本じゃドロボウひげのオヤジカールおじさんとしか認知されてないってこと、ご存知?

もちろん、いまだ声変わりも済んでないような小僧に、牙を向くほど女将だってバカじゃない。こう見えても、夜の蝶の端くれ。酔っ払いの訳分からないたわごとには散々付き合ってきた。いや。たわごと言う側の方が多いかも。

私はニッコリ微笑んで、そのくそガキカール君に言った。
「あちき、この件ブログに書かせてもらいます。皆に審判下してもらおうじゃないの」
途端にサッと顔色が変わるカールオジサン、いやカール君。あんた、まずい人を相手にしたね。でももう遅くてよ。
こうしてちびっ子と女将との戦いは幕を閉じた。。。はずであったのに。

次の日台所に行くと「もうこれ以上出せません!」ってぐらいギューギューに搾り出された味噌袋の残骸。
そして周りに散らばるパンくず。

ぎゃふん!女将の毒気は20歳以上にしか効かないのかもしれません。