まず一通のお手紙をご紹介しよう。
「こんにちは。質問があります。この間の飛行機の件(イギリス 飛行機事情ご参照)を読むと、スーさんってしょっちゅうクレームの手紙を打っているみたいですが効果はあるんですか?無いなら時間の無駄だから止めたらいいのに。スーさんパソコン片手でしか打てないんでしょ?」
以上、池谷の左耳と浜崎あゆみの耳問題は偶然?っ子さんからでした。
お手紙どうもありがとう。質問っていうより要求って感じだが言いたいことは良く分かる。
答えを先に言うと、実は意外と効果ありなんである。
まずケニア便キャンセルの時。
ジルおばさんからの返事以外何も受け取らなかった我々は少々むかつきながらも出発当日、その航空会社のチェックインカウンターに向かった。ソーリーのソの字もないまま淡々とチェックイン業務が進行していく。そしてチケットを渡すスタッフの兄ちゃんが最後に言った。
「席は一番前の足が伸ばしやすいところにしといたよ。それじゃハネムーン楽しんできてね」
????なぜ我々がハネムーナーだと知っている??
だが搭乗時間が迫っていたためそこを追求することなく我々は搭乗ゲートへと向かった。
チケットに示された席を見つけると、なるほど一番前の比較的ゆったりしている席だ。我々は手荷物を上の棚に入れ出発準備を整えていた。
と、そこへ『お局クラスのスッチー』がつかつかとこちらに歩み寄るや否やスーさんをスタッフルームに連れて行った。なんだ?なにがあったんだ?予防接種ならちゃんとやったぞ。不安な私。5分ほどして戻ってきたスーさんは唐突に私に言った。
「席、間違ってたみたい。今から移動するよ」
「え?え?」インコのように首を振る私。
「で、でもチケットにはこの席になってるよ。間違いってどういう・・・・」
「いいから。間違ってたの!行くよ!」
そして連れて行かれたのは、
じゃーーん!ビジネスクラース!神様は我々を見捨ててはいなかった!
お局スッチーが言うことにはスーさんのクレームレターはちゃんと届き、どういう経由か彼らも我々の悲劇を知ることとなったらしい。(ジルおばさんの方でないといいが)。
キャンセルになった便の乗客自体あまりいず、しかも「一生に一度(の予定)のハネムーンをぶち壊された」我々に深く深く同情したこれは「ここの搭乗員一同からのプレゼント」。
ありがたいことである。まあビジネスクラスが満員じゃなかったから出来たのであるが、嬉しいではないか。もちろん我々は狂喜乱舞。一気にグレードアップしたこの幸運を余すことなく堪能した。
そしてエジンバラの悲劇。これもクレームレターが功を奏して、航空会社から一人につき70ポンド(約14000円)のクーポンが届けられた。
せっかく楽しみにしていた旅行、悲劇的なハプニングは出来るだけ避けたいもの。
だがもし起こってしまっても挽回する手はある、というのをスーさんのクレームレターが示してくれた、と言えるのではないだろうか