ウォシュレットやウォームレット、今や常識であろう。
音姫?当然でしょ。延長押すとたまにそこからまた音が始まって困るよねー。あと音がすっごくちっちゃい時ない?意味無いよねー。
これらの設備はここイギリスで見ることはまず無い。
特に音姫はこちらが真面目に説明すればするほど「はいはい。分ーかりました」ってな色を如実に浮かべた顔を見ることになる。
沼津の温泉旅館に泊まった時のこと。スーさんがトイレから関心しつつ出てきた。
「日本のトイレってさー、蛇口がついてるのね。これいいね」
水洗トイレで水を流すとタンクの上からそそり立つ蛇口から水が出る。それはそのままタンクへ。その過程で手を洗うことが出来る。
『無駄が無い!』
これがイギリス人スーさんの琴線に触れたようであった。日本ではそのタンクを無くすことが現代の課題だってのに。生活の基盤はイギリス。認めたくなくとも日本人の私の形勢は常に不利。このチャンス 、、、、、、、、、逃すわけにはいかない。
「あれ?イギリスにはなかったっけ??あまりにも当たり前の事で考えもしなかったよ。そーいや無かったわ。おほほほほ」
声高らかにエビゾリで笑う私。
『しめしめ。わざわざ日本に連れて来た甲斐があったってもんよ。これはまだまだ序の口だっての。キヒヒ』
手のひらに毒リンゴがあれば完璧であったろう。私は有頂天であった。
その後東京へ移った我々はスーさんたっての希望で築地の寿司屋へ。美味しいお寿司を堪能し、そろそろお愛想と相成った。
「僕トイレ行って来るんであと頼むね」そう言いスーさんはトイレへ。
私は支払いを済ましレジの片隅で待つこと・・・5分・・・10分・・・15分。
おいおいまだですか?ネット経由の男であったならヒモ狙いと考えてもおかしくない。しかし我々は夫婦。既に契りを結んだ仲である。
「お連れさん遅いですねぇ」と心配そうな仲居さん。
「ほんとにねー、なにやってんでしょうねぇ」と言いつつ『いいからさっさとヒネリ出せ』と内心毒づいていた。
やっと出てきたスーさん。
「ちょっとー。こっちにも限度ってもんが・・・・・」
「ド、ドウモーーーー!!!」(彼の中でのオールマイティーな日本語)
無理やり外へ出される私。
「あのさー、あれじゃいかにもでかいのやってますって言いふらしているようなもんだよ」
「いや、僕おっきいのしてないの」
「じゃ、何やってたってのよ!」
「そ、それが・・・・」
スーさんは普通にお小用を済ました。
さーて流すとしますか。タンク横のレバーをひねればお仕舞い、であった。
ところがレバーが無い。それでもスーさんは落ち着いていた。
「なーる。これぞ日本のハイテク、どこかにセンサーがある訳だ。見つけてやろうではないか」
まず床に手を振るスーさん。無反応。
便器に手を振るスーさん。無反応。
壁に手を振るスーさん。無反応。
ドア、そして天井に手を振るスーさん。無反応。
途方に暮れたスーさん。とりあえず考えられる全ての方向に手を振りまくったそうな。
想像してみて欲しい。約1畳のトイレの中で腹の出たでかい外人が一心不乱に見えぬオーディエンスに手を振る10分間。彼は何を歌った?当たり前だがレスポンスなんぞ無い。
そして英国紳士のスーさんは決断した。
『このままバックレよう』
そして出てきたのが15分後だった、という訳である。
「とにかくさっさとこっからズラかろうぜ」ぐいぐい手を引っ張られ我々は築地を後にした。
私は答えを知っている。
トイレのレバーは壁にあったのだ。一見エアコンの空気調整のプレートに見えるあの、代物だ。しかも「大」「小」のボタンはそのプレートの側面にある。日本人の私でも苦労しやしたぜ
もちろんその後「大」「小」の字をしつこく教えたのは言うまでもない。
次の試験日は11月の予定である。
音姫?当然でしょ。延長押すとたまにそこからまた音が始まって困るよねー。あと音がすっごくちっちゃい時ない?意味無いよねー。
これらの設備はここイギリスで見ることはまず無い。
特に音姫はこちらが真面目に説明すればするほど「はいはい。分ーかりました」ってな色を如実に浮かべた顔を見ることになる。
沼津の温泉旅館に泊まった時のこと。スーさんがトイレから関心しつつ出てきた。
「日本のトイレってさー、蛇口がついてるのね。これいいね」
水洗トイレで水を流すとタンクの上からそそり立つ蛇口から水が出る。それはそのままタンクへ。その過程で手を洗うことが出来る。
『無駄が無い!』
これがイギリス人スーさんの琴線に触れたようであった。日本ではそのタンクを無くすことが現代の課題だってのに。生活の基盤はイギリス。認めたくなくとも日本人の私の形勢は常に不利。このチャンス 、、、、、、、、、逃すわけにはいかない。
「あれ?イギリスにはなかったっけ??あまりにも当たり前の事で考えもしなかったよ。そーいや無かったわ。おほほほほ」
声高らかにエビゾリで笑う私。
『しめしめ。わざわざ日本に連れて来た甲斐があったってもんよ。これはまだまだ序の口だっての。キヒヒ』
手のひらに毒リンゴがあれば完璧であったろう。私は有頂天であった。
その後東京へ移った我々はスーさんたっての希望で築地の寿司屋へ。美味しいお寿司を堪能し、そろそろお愛想と相成った。
「僕トイレ行って来るんであと頼むね」そう言いスーさんはトイレへ。
私は支払いを済ましレジの片隅で待つこと・・・5分・・・10分・・・15分。
おいおいまだですか?ネット経由の男であったならヒモ狙いと考えてもおかしくない。しかし我々は夫婦。既に契りを結んだ仲である。
「お連れさん遅いですねぇ」と心配そうな仲居さん。
「ほんとにねー、なにやってんでしょうねぇ」と言いつつ『いいからさっさとヒネリ出せ』と内心毒づいていた。
やっと出てきたスーさん。
「ちょっとー。こっちにも限度ってもんが・・・・・」
「ド、ドウモーーーー!!!」(彼の中でのオールマイティーな日本語)
無理やり外へ出される私。
「あのさー、あれじゃいかにもでかいのやってますって言いふらしているようなもんだよ」
「いや、僕おっきいのしてないの」
「じゃ、何やってたってのよ!」
「そ、それが・・・・」
スーさんは普通にお小用を済ました。
さーて流すとしますか。タンク横のレバーをひねればお仕舞い、であった。
ところがレバーが無い。それでもスーさんは落ち着いていた。
「なーる。これぞ日本のハイテク、どこかにセンサーがある訳だ。見つけてやろうではないか」
まず床に手を振るスーさん。無反応。
便器に手を振るスーさん。無反応。
壁に手を振るスーさん。無反応。
ドア、そして天井に手を振るスーさん。無反応。
途方に暮れたスーさん。とりあえず考えられる全ての方向に手を振りまくったそうな。
想像してみて欲しい。約1畳のトイレの中で腹の出たでかい外人が一心不乱に見えぬオーディエンスに手を振る10分間。彼は何を歌った?当たり前だがレスポンスなんぞ無い。
そして英国紳士のスーさんは決断した。
『このままバックレよう』
そして出てきたのが15分後だった、という訳である。
「とにかくさっさとこっからズラかろうぜ」ぐいぐい手を引っ張られ我々は築地を後にした。
私は答えを知っている。
トイレのレバーは壁にあったのだ。一見エアコンの空気調整のプレートに見えるあの、代物だ。しかも「大」「小」のボタンはそのプレートの側面にある。日本人の私でも苦労しやしたぜ
もちろんその後「大」「小」の字をしつこく教えたのは言うまでもない。
次の試験日は11月の予定である。