自動車免許を取ったのはイギリスに来る直前、3年前である。
それまで自動車は「運転してもらうもの」。東京都内で一人暮らし(実際には弟と二人暮し)。しかも独身女。車買うより海外旅行に使うのが当然の流れであろう。
しかしイギリス行きが決まった為そうも言ってられなくなった。私を待っているのはイギリス南部の地方都市。自動車が無いのは死をも意味する。
英語よりも日本語で習った方が安心と思い、お稽古バッグをさげてドライビングスクールに通う日々。仮免テストで落ちて弟に馬鹿にされたりしたがなんとか自動車免許取得。英国に乗り込んだ。
現在2台目のToyota Vitz(イギリスではYaris)に乗っている。車を手に入れた経緯などはまた別の機会に報告するとして今回はここでの車の運転について少し書きたい。
まず「ビームの使い方なんて習わなかったぞ!」
いかんせん田舎なもので夜は真っ暗。しかも私の通勤路はNew Forestという国立公園を通るため常に野良の馬、牛、ロバなどがうろついている。街燈なんぞもちろん無い。
皆さん馬を轢きそうになったことあります?私はあります。闇夜の黒馬は全く見えません。
「ガソリンの入れ方なんて習わなかったぞ!」
こちらではセルフサービス。モタモタ遅いおばさんの車の後ろにつけるとイライラすること必須である。
「ドライバーの馬との接し方なんて習わなかったぞ!」
New Forestでは朝と晩、お馬さん達が道路脇でお食事していることが多い。特に春めいたこの時期からは馬や牛の繁殖期。お母さんに寄り添う子牛、子馬であふれかえるシーズンが始まる。動物達の横を通り過ぎる時はスピードを落とす、これは鉄則だが特にバスやトラックが自分の前にいる時はさらに注意が必要。大きい乗り物に子馬達はびっくりしがち。思いもよらぬ方向に走り出すことがある。
道路を動物が占領して通れないことも多々ある。動く気配がない時はおばさんの図々しさを見習いぐいぐい少しずつ押し出して行こう。「道路渡ろうかなー。やっぱ止めようかなー」と優柔不断なのもたまにいる。短期は損気。会社に遅刻する!なぞとイライラせず「あらあらどっちに行くのかしらねー」とニッコリ観察する位の余裕は持ちたい。
ちょっと挙げてもこんな感じだ。全てが「田舎にいるから」に基づくところが悲しい。
逆に「日本じゃ必要だがこっちでは不要」なのもある。
代表的なのが高速道路での支払い。こちらは無料である。(代わりに道路税を払うけどね)