折角ホイールを新調したのに全然乗る暇が無いFARGOですが、短時間でも乗ることが出来れば大きな喜びが得られます。
私のバイクは最新型ではありませんが、それでも乗り味が素晴らしいことには変わりません。

見た感じはマウンテンバイクのハンドルバーをドロップにしたように感じますが、そうではないんです。
アメリカで行われるフラットダートを延々走り続けるレースたちのために、理想のバイクを作り上げたのが始まりです。
ですから、明確なターゲットがあってそのために必要な要素を盛り込んでいったのです。
結果的に出来上がったFARGOはどんなバイクよりフロントタイヤを感じることが出来るバイクとなりました。

掌に、今フロントタイヤのトレッドがどのように地面と接触しているのか、トレッドのたわみ量、タイヤの変形量、タイヤの限界点に対して現在の状況などが、どんなバイクより饒舌に伝わってきます。
そのためにコーナーは自由自在となります。タイヤのグリップを完全に把握できるので、恐怖心というものが発生してきません。
リアタイヤのインフォメーションももちろん素晴らしく、前後輪を支配下に置くことが出来ます。
むちゃくちゃな斜度の登りも乗ったまま上れますし、下ハン握って急坂を下りるのも不思議なほど怖くありません。
それでいて舗装路も抵抗無くスイーっと進むのですから、こんな良いバイクはありませんよ。
サスペンションが無いので走るフィールドはある程度選ぶというか、走れるけどライダーの身体がボロボロになるのでハイスピードで荒れた路面はあまり走らない方がいいですが、舗装路とダートがミックスしてやってくるようなトレイルでは最強です。
私が試乗車を処分する素振りも見せないのはこのバイクの素晴らしさゆえです。
ちなみに2017以降の最新型フレームはより戦闘的になり、スタビリティ(フレーム剛性的な意味で)が増し、想定速度域が上がりました。ハンドリングはさらに素晴らしくなりました。