ただひたすらにスーパーなこのバイク、ありとあらゆる路面を走って大体把握できました。
まず、舗装路ですが、空気圧を1キロ程度入れてしまえばもう恐ろしいほどの巡航性能を発揮します。加速は29erレースバイクにやっぱり劣りますが、やつらはチューブレスですからね、こっちもチューブレスにしたら分かりませんよ。互角になる可能性もあります。
一度速度が乗ってしまえば、もう最高です。ただ矢のように走っていきます。
それでいて得も言われる安心感があるので、ロードなどとも全然違う乗り物です。見た目からしても当たり前ですが。
空気圧が高くとも、かなり高性能なROCKSHOX YARI(実はチャージャーダンパーアップグレードキットが32000円で登場したので更なる高性能化が可能になりました。)のおかげでそのままダートを走っても問題ないですが、うまみを最大に享受したければ0.6キロ程度が良いと思います。
パイロンスラロームのようなことをすると、やはり径の大きなタイヤの影響を受けて極限の小回りでは問題が発生するのですが、あとからまた説明しますが、シングルトラックでも小回りが効かないと感じる瞬間は無いので本来ならありえない特殊な状況に限ると言ってもいいでしょうね。
さらに、そのときの通過スピードは29erより2割ほど速いスピードですので、同じ程度の速度まで落とせば同じレベルで曲がるのは難しくありません。
とにかく速度が乗るのでどんな状況でもやたらと速いバイクです。

滑りやすい砂利でもそもそもグリップ力が強いため、そう簡単に滑りません。
29erの2割増の速度で走って初めてちょうど良い感じになるのですが、そこから滑っても容易にコントロール可能なほどグリップは残ります。
ヤバイと思うことは皆無です。

最後にシングルトラック、それも26インチだと全く進まないほどの極悪路(ただ雨水の侵食でV時に谷が出来ただけの道)を走った印象は強烈でした。
余裕がありすぎてつまらないと感じるほどだったのです。
ドロップオフが既にドロップオフに感じないんです。ただの段差程度の感じになってしまうんですよ。根本的に姿勢に乱れず、どんどん乗り越えて行き、速度が全く落ちないのでテクニカルさが感じられないほど楽が出来てしまいます。
もちろん、道といえない断崖絶壁のような場所にもって行けばこのバイクの性能を全て引き出せると思うのですが、そのようなところが思い当たらなかったので走ってみることが出来ませんでした。
ミスってカーボンフレームを破損させてもいけないので、安全が確保できる範囲にとどめました。

皆さんが気にしている運動性能に関しましては、全く心配ございません。
尋常ではないレベルの機敏さを持っています。リアセンターの短さがその反応の速さにつながっているのでしょうが、だからと言ってリアが跳ね上げられないのでこれは設計の進歩を感じさせます。
距離が長くなれば長くなるほど、道が荒れれば荒れるほどこのバイクでしか到達できなくなるでしょう。
来年もこのバイクはそのまま2018モデルと言い張って売るそうです(さらに1割値上げ)。
ちょっと試乗に使われていただけのこのバイクのお得さは圧倒的ですので、欲しい方はお急ぎください。近々売れそうです。