関西特派員N会員による寄稿文となります。
中央アジア海外留学生との交流を兼ねた講座に参加された内容をブログに纏めていただきました。


去る1月14日(日)と21日(日)、大阪国際交流センターで行われた講座に参加してきました。

講師は現在大阪教育大学で日本語を学ぶ、笑顔の素敵な女性、ウシケムピロワ・ナズグーリさんです。
彼女はアルマトイからバスで8時間ほど離れた南部カザフスタンのご出身。自宅からアルマトイよりバスで3時間ほど近い、という理由で決めたという、隣国キルギスのビシュケク国立大学で日本語を学び大学院を修了。その後北海道や茨城の大学に留学。今は大阪にお住まいです。とても日本語が流暢です。


ディマシュファミリー以外、初めてのカザフスタン人の方ということで、なぜか前日からド緊張。
ドキドキしながら教室に向かいました。

さて、第一日目は「宇宙の入り口 カザフスタン」
まずはカザフスタンの一般知識からご紹介させてください。
Dimashファンの皆様なら、既にご存じの内容も多いかもしれませんね。

カザフスタンは17州からなり、3大都市は、首都アスタナ、旧都アルマトイ、シムケント
人口は、2023年11月ついに2000万人を突破しました。
国土は日本の約7倍  世界第9位 国土の形をカザフスタンの小学校では亀の形と教えるそうです。(参考:東京都の人口2023年12月時点で約979万人)

広い国土に124の民族が共存。69%がカザフ系、18%がロシア系です。
国語はカザフ語、公用語 ロシア語 多くの民族が暮らしていることからロシア語が公用語として広く使われているとのこと。

宗教:70% イスラム教スンニ派、26% ロシア正教



平均気温は地域により差があるようですが、1月は-16~-19℃、北部では-45℃になることも。7月は20~29℃と、なかなか暮らしにくそうであります。

経済成長率が3.2%に対して、物価上昇率は15%(2022年)と今は暮らしが厳しいそう。
高収入の職を求めて、地方から若者が都会へと流入しているという。

歴史はものすご~くややこしいので、ここでは割愛します。
大きくはテュルク系カザフ・ハン国(15世紀)の形成前と形成後、とわけられるようです。
5世紀まではイラン系の民族が支配しており、白人系の人々が住んでいたとのこと。
1847年にロシアに支配され、1991年に独立を果たしたことはみなさんご承知のとおり。

さて、標題の「宇宙の入り口」とは?
言わずと知れた、バイコヌール宇宙基地です。
世界初の有人宇宙飛行を成功させた、ガガーリンを載せたボストーク1号が発射したのもこの宇宙基地からですね。
この基地は現在ロシア連邦宇宙局が管理しており、2050年まで契約があるそうです。



ここで参加者から質問。
“カザフスタンの子供たちが将来なりたい職業は?”
何だと思います?

女の子は医者と教師だそう。(ディマシュの妹ラウシャンは医学生でしたね、最近はレストラン経営で忙しそうだけど。。。)

男の子は?
一番の人気は「宇宙飛行士」!
宇宙飛行士といえば、あのワンコ。そう、トカエフ大統領から贈られた、あのタズィ犬。
ディマシュが「ガリシュカ―(宇宙飛行士)」と名付けたのは、じつは憧れがあったのか?なんて勘ぐってしまいました。(。。。そういえば、あの子はどうしているのだろう?)


その他トリビア
〇カザフ料理に、肉のはいっていない料理はない!!!
〇有名な料理 “ベシュバルマック” “ベシュマル"=5本の ”バルマック“=指 の意味で、昔は手で食べていたため、この名があるという。
彼女も実家に帰ると、牛、羊、馬の骨髄を食べるんですって。好物だそうですよ。
〇ミルクもいろいろ 馬:クミース(発酵乳)
      ラクダ:シュバット
        牛:アイラン
〇女性の三つ編み 三つ編みの数にルールあり。
 子供 5本、結婚適齢期の娘さん 2本、既婚者 1本
 昨今はこんなに長い髪を伸ばしている女性は少ない。
〇ウエディングドレス 最近は白に伝統のカザフ模様を刺繍したものや帽子をかぶるのが流行
〇流行のスポーツ 男子も女子も、ボクシング
〇世界で10番目に多くお茶を飲む
〇昔は男女が人前で手をつないだりすることができなかったため、まわりに付き合っていることを示すために、ある儀式が。
馬に乗った女性を、馬に乗った男性が追いかけて、つかまえて頬にキスするというもの。ただし、失敗した場合、女性が馬で男性を追いかけ、おもいきりムチでしばくんだそうです~ カザフの女性、あっぱれ!

さて、カザフスタン人が思う日本のイメージは?という質問には、
「桜、ロボット、車、アニメ」だそう。

1月21日は「キルギス」の紹介でした。
2014年にキルギスで初めて開催されたワールド・ノマド・ゲームズ(国際遊牧民競技大会)。2年に一度行われる中央アジア最大のスポーツイベントは2022年にトルコで行われるまでキルギスで3回開催され(コロナ禍で2020年非開催)、この国の伝統文化の継承、観光誘致に大いに貢献したようです。2024年は9月8日~14日、カザフスタン首都アスタナで開催されます。
今年は20競技、100か国以上が参加します。
各国特有のレスリングや、流鏑馬、鷹、競馬のような乗馬競技、など伝統競技が競われます。
ビデオでみた“ユクブリュ”(カザフ語ではコクバル)という首無し羊の奪い合いが、また強烈で。。。
2チーム各4人が馬で、素手で地面の首を落とした羊(本物)をひっつかみ、奪い合って相手側のゴールに投げ入れ得点するというもの。羊は30kg以上と決まっているそう。荒々しくワイルドでもあり、すごい迫力。柔なわたしにはちょっと厳しい(笑)
(より詳しく知りたい方は、ワールド・ノマド・ゲームズHP⇒https://worldnomadgames.com/en/)

他の中央アジア国が「〇〇スタン」というのに、なぜキルギスだけに「スタン」がないのかご存じでしたか?
これは単に事務的な理由。
正式名、カザフスタン共和国は、英語で Republic of Kazakhstan 略して “RK”
キルギス共和国は、Kurgys Republic 略して“KR” これがもしキルギスタンだと Republic of Kurgystanとなりカザフスタンと同じ略称になってしまうからだそうです。
しかし実生活では国民はキルギスタンと言っているそうです。

知れば知るほど興味のつきない中央アジアの国々。これからも機会あれば、このような講座や交流会に参加したいと思いました。
最後にナズグーリさんに、一番尋ねたかったけど怖くて聞けなかった質問を思い切ってしてみました。

「ディマシュはカザフスタンの若い人たちに人気があるのか?」
。。。。。ドキドキ。。。。。

答えは「イエス!!」 
あ~~ヨカッタ~~~(心底ホッとした~)
中高年にしか人気がないんじゃないかと心配していました。


彼女曰く、2017年に中国でブレイクするまでは、実はディマシュはあまり知られていなかったとか。(これは私の理解とは違っていました。すでにカザフスタンでは人気歌手だと思っていました)
そのころはディマシュより、父親のカナト氏が有名で、ディマシュはカナト氏のステージにちょこっとゲストで出る程度。ああ、あの子がカナトの息子なんだ、的な存在だったそうです。中国でのブレイクはカザフスタンの人にとっても、驚きだったのですね。

今や押しも押されもせぬ大スター。これからどんなふうに進化していくのか。
もはや親戚のおばさん的目線で、彼の健康とますますの活躍を祈ります。
そして、日本にも来てね~~と熱いラブコールも忘れずに!



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