カズン(1)
いくえみ稜 ★★★☆
[あらすじ]
ぼんちゃん、こと白川つぼみ。18才と9ヶ月(ちょっと太め)。女子校を卒業し、晴れてビデオ屋にてフリーターデビューを飾る。男の子にまったくご縁がなかったぼんちゃんにも、バイト先ではじめての男友達ができて・・・。
今更ながら、いくえみ稜に再注目している。
いくえみ稜といえば、今の20代なかばの女の子がたいてい思春期に読んだであろう(そうでもない?)『I love her』の作者。以来、しばらく彼女の作品からは遠ざかっていたけれど、いつの間にやら絵もおしゃれっぽくなって私の前に再登場。ちなみにこの『カズン』は、今Zipperに連載されているもの。
極論を言ってしまえば、漫画の命は「キャラクター造形」、「セリフ(しぐさを含む)」と「間(テンポ)」の3つだろう。そして、いくえみ稜の作品はこの3つを兼ね備えていると思う。さらに絵もうまくなって、もはや無敵。
この『カズン』でも、特にたいしたことが起こるわけでもないし、美人でもない主人公にいきなり言い寄ってくる“漫画的”な人物があらわれるわけでもない。でも、そういうどこにでも転がっている生活が、少しずつ、少しずつ、変わっていく様子が絶妙のテンポで描かれるのを、見守らずにはいられない。
余談だけど、主人公のぼんちゃんが思いを寄せる「茄子川さん」なる人物はかなり私好み。ああ、そういえば『I love her』を読んだときも、主人公が夢中になっている担任の先生(奥田民生に激似)が好みだと思った記憶が。あの頃から成長していないのか?
BGM:愛し愛されて生きるのさ/小沢健二
