司馬遼太郎が考えたこと 1 | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)

司馬 遼太郎
司馬遼太郎が考えたこと〈1〉エッセイ1953.10~1961.10
新潮社 ★★★

司馬遼太郎のこんなエッセイ集を発見。驚くことに、15巻まで出ているらしい。司馬遼太郎はエッセイはいまいちという勝手な思い込み(どこで植えつけられたのだろう?)があったので、とりあえずおずおずと1巻だけ手にとってみた。


司馬遼太郎がまだ「福田定一」だったころのエッセイからはじまり、徴兵されたときの話や職場でのできごとなど、小説ではわからなかった素の司馬遼太郎が見えてくる。もちろん歴史のこぼれ話なんかもある。


面白そうなのだけ拾い読みしていったのだけど、途中でわくわくする話があった。司馬氏の同僚に出雲出身の方がいて、聞けばその人は、神武天皇の時代から出雲大社の神官をつとめる家の生まれであり、一族の「カタリベ(語り部)」なのだという。語り部といえば、「古事記」を口述した稗田阿礼と同じく、聞き語りによって歴史を後世に伝える人。そんな人が、ケータイがおさいふになる現代に存在しているなんて! そして、その伝承の中には、史実に記されていない重要な事柄があるというのだ。知りたい!


出雲というのはちょっと特殊な土地らしく、語り部のほかにも、神武天皇の時代に制定された国造(くにのみやつこ)という役職がいまだに残っていて(!)、お正月になると県知事と一緒に新聞にあいさつ文を出すとか・・・。ビバ出雲。


出雲話以外にも、大阪と神戸の土地柄の違い、尾張人と三河人の気質の違いなど、均一化しつつある今の日本ではもはや滅びかけている地方性が生き生きと描かれていて面白かった。

2巻からも引き続き読んでみる予定。


BGM:風に乗る船/Salyu