豊崎由美の一日書評講座 | ほんのにちようび

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心に残った本のあらすじと感想をつづります。

(時に映画、マンガ、音楽などについても)

「文学賞メッタ斬り」「百年の誤読」で知られる書評家、豊崎由美さんの一日書評講座に参加してみました。書評の書き方を学ぶぞ!というよりは、圧倒的に「あのトヨザキさんが見られる!」という、ミーハー的な興味によって。


教室に入ると、すでに前に座っていらっしゃったトヨザキさんを発見。小柄で、ちょっと性別を超越したような雰囲気があり、かつ清潔な気配のする方だった。話し出すと、これがまた乾いた良い声。付箋のいっぱいついた本を愛しむように手にしながら、書評とはどんなものか、どんな書評が良い書評か、作家・書評家とはどんな人たちか、など、興味深い話をたくさんしてくださった。「メッタ斬り」の作者らしく、抑えたなかにも程よい辛味が効いていて、聞いていてとてもここちよい。


優れた書評のポイントとしては、

①絶対に読み取らなくてはいけない内容をきちんと把握した上で書いていること

②その人ならではの芸があること

③(本に正しい読み方というのは存在しないという前置きの上で)その小説の世界を膨らませるような、面白くて独創的な誤読があるか(もっといろいろおっしゃっていたけど、特に大事だと思ったのはこの3つ)。


そして、面白いと思ったのが、男性書評家(例:福田和也など)にたまに見られる、書評を政治的に書くタイプの書評家を批判していたこと。つまり、自分が面白いと思っていなくても、「今この人を誉めておくと後々役立つだろう」などという策略の上であえて誉めたりする姿勢を批判していたのだが、こういう姿勢を毛嫌いするのって、とても女性的だなあと感じた。トヨサキさんの書評の魅力はそういう、「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い!」のような女性的思考から来ているのかもしれない。だから、政治的思考や余計な知識のひけらかしがまぶされて訳が分からなくなっている小難しい書評とは違い、スタンスがはっきりしていて明快かつ爽快なのだろう。


さすが書評家だなあ、と思ったのは、話を聞いていると、その中で出てくる本をすごく「読みたい!」という気にさせられること。海外文学もかなり造詣が深そうだった。ヴァージニア・ウルフ好きらしい。真島昌利も歌っていたことだし、一度は読んでみなきゃと思っていたけれど、これはますます読んでみなくちゃ。

とりあえずおすすめの中でも、


・ロンドンで本を読む/丸谷才一

・あたりまえのこと/倉橋由美子

・黒い仏/殊能将之

・ベルカ、吠えないのか/古川日出男


はさっそく読もうと思った。なかでも「ベルカ・・・」は、年に十数冊しか本を買わない私ですら帰りに書店に寄って即買いしたほど、興味深い紹介だった。行ってよかった~。


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