著者: 岡野 宏文, 豊崎 由美
タイトル: 百年の誤読
ぴあ ★★★☆
「文学賞メッタ斬り」で宮本輝を「テルちゃん」呼ばわりし、ばっさりと斬って捨てたかの名剣士トヨザキ氏再登場。対談形式で20世紀のベストセラー100冊を語っているのが本書。
この本でもおなじみの毒舌が炸裂。毒舌といっても単なる批判ではなく、適切な比喩を使った皮肉があまりに的を得ていてところどころ噴き出しそうになる。たとえば、1993年のベストセラー「マディソン郡の橋」はこんな風に一刀両断。
豊崎「とにかく、これって、欲求不満の女の所にプラプラ~っとした浮浪者みたいな男がやってきて、クラッときてセックスしてアッハ~ンみたいなよくある痴話ばなし以外の何者でもないでしょ」(p.331引用)
かと思えば、同時期のベストセラーである「もものかんづめ」(さくらももこ著)を「ゾッとするほど巧い」と絶賛。さくらももこは”平成の林芙美子”だ、いや、むしろ”井伏鱒二”ではないか、と話が続く。
自分が読んだ本については、(たとえ感想が真逆であっても)あたらしい視点を与えられたようで新鮮に感じられるし、未読のものについてはぜひこれから読んでみよう、と思わせる力のある本。
BGM:Go shopping / Bran Van 3000