「旗章学」という学問があるらしい。

英語ではVexillologyという。


むかし、TED Talkのある動画を知人が勧めてくれたことがあった。国旗や州旗、市旗などといった、旗について米国のラジオDJが語る回だった。


https://youtu.be/pnv5iKB2hl4?feature=shared


良い旗のデザインというのは、文字や言葉は含まず、複雑すぎない絵をあしらったもののようだ。例として日本、カナダ、ガンビア、ソマリアなどがあげられている。


世界各国の国旗はそのようなデザインが多いのに対し、自治体の旗となると事情が違う。紋章や自然を描写した複雑な絵、地名や標語などの具体的な言葉を多分に含む旗がたくさんあり、覚えにくいこれらの旗を彼は酷評する。


良い旗とはこんなものだと彼が称賛するのが、以下のアムステルダムとシカゴの各市旗だ。







なるほど、簡素で覚えやすく、書き写すのも容易なデザインだ。これらの市旗は現地のいたる所に掲揚され、住民は誇りにしているという。


一方で、良くないものとして彼があげたのが以下のウィスコンシン州ミルウォーキーの市旗だった。





ものすごい情報量だ。たしかに一目で覚えて、見ずに描くことなどできないだろう。巨大企業のロゴマークに簡素なものが多いのと同じように、市旗も覚えやすく、かつ主張の激しさを感じさせないものが良いのかもしれない。


私は観点がまったく違って、動画で知って以来このミルウォーキーの旗を好きになった。見ると賑やかで楽しい気分になるし、たくさんの記号を眺めながら、それぞれが何を意味するのか調べたくなる。


"旗章学"に入門したいとは残念ながら思わないけど、国旗をはじめ旗は今も昔も関心の対象だ。