エンジンを切り、仕事用のバッグを肩からかけ、買い物袋を持って車から降りる。


スーパーで買った食品を冷蔵庫に入れ、米を研いで炊飯器のスイッチを押したら、浴室でシャワーを浴びる。あした休みか。大宮のブックオフでも行こうかな。


入浴が済んだら、タブレットをもって台所へ。さっき冷蔵庫に入れた鶏肉を出す。今夜はテキトーに炒め物を作ろう。あー腹減った。


電子レンジの上にiPadを置いてYouTubeの動画を流して料理をする。良い気分転換であり、休日前夜などはより気持ちがいい。


再生▶︎


まず鶏肉に下味をつける。


日本でラテンアメリカ文学がたくさん翻訳され、かつてはブームと言われるまでになったことを大人になってから知った。


ガルシア=マルケス


ボルヘス


バルガス=リョサ


コルタサル


フエンテス


コンロの火をつける


などなど、日本の学生が彼らの邦訳をたくさん読んできたらしい。


ラテンアメリカ文学の作品群は、英仏独露など古典的作品がそこらの古本屋でいくらでも手に入って一作品に複数の邦訳があるような領域とは違う。


ジュ〜


私ほどの世代になると、ラテンアメリカに強い関心のある人や、視野の広い文学好きでもないかぎり、だいたいは知らずに通り過ぎていくものだと思う。


この地域の文学事情をぜんぜん知らなかったが、偶然この動画を観たことで興味が出てきた。


アツっ。油はねた。


以前、そんな話を私がしたのか、違う話から行きついたのか覚えていないが、友だちが『密林の語り部』を勧めてくれて、古本屋で見かけたので購入しておいた。


その後もラテンアメリカ文学の邦訳をちょこちょこ見つけて買っていたが、本も積もれば山となり、もともと多い積読と合わせてアンデス山脈状態だ。


『百年の孤独』は錦糸町の古本屋で初訳を見つけて買ったが、体感200年くらいでどうにか読み終えた。


ガルシア=マルケスによるこの長編が、数あるラテンアメリカ文学の中で最も多く言及されるものだろう。


私にはとてつもなく難解だった。正直、ワケが分からなかった。これには文学好きの友だちも同感なようだ。


かと思えば「読みやすい」とオススメしている人もいて、とにかく『百年の孤独』は何かと注目される小説なので、一度面食らってもなんだか気になる。だから、いつか読み直そうと思う。


この先生たちが翻訳したり夢中で読んできたラテンアメリカのたくさんの物語を、これから私も自分のペースで味わっていこう。


片栗粉つけすぎたな。まあいいや。いいタイミングで米も炊けた。


さあ食べよう。腹減った。


停止


Muchos años después…


長い歳月が過ぎ、コロンビアの文豪が何を言わんとしていたか、私にも分かる時が来るのだろうか。


https://youtu.be/siUOBU3yleM?feature=shared


https://youtu.be/FNTsU5bj3xQ?feature=shared