アルバニアの文豪イスマイル・カダレの作品のいくつかは日本語でも読める。


絶版になっているものもあり入手は容易くないけれど、『夢宮殿』をネットで買うことができた。


カダレは『バルカンを知るための60章』や『アルバニアインターナショナル』でも言及されている。


また、日本の洋書店にはカダレの作品の英語版がけっこう置かれていて、世界的な作家と言われるだけある。まだ日本語に訳されていないものもあったりする。


実は以前、その中から面白そうだと思い"Twilight of the Eastern Gods"を選んで購入したが、『草原の神々の黄昏』というタイトルで邦訳が出ているものだった。でもネット上で倍の値段をつけて売られていてなんか手を出す気にならないし、どのみち英語でも読みたいから問題ない。英語で読書するのも好きなのだ。


ところで、日本語や英語で読めるカダレの作品はフランス語版から重訳されたものが多いが、アルバニア語から直接邦訳されたのが『死者の軍隊の将軍』だ。訳者の井浦氏のホームページにもアルバニアに関する様々な事が書かれていて面白い。以前、世界遺産のジロカスタルを特集した日本の紀行番組のエンドロールにも井浦氏の名前があった。


アルバニアの小説家というだけあって、オスマン時代のアルバニアを扱っているようなものもカダレの作品には多い。オルハン・パムクとは違う、バルカンから見た"オスマン文学"としても興味深い。