平野砦は飯能の町から国道299号あるいは西武秩父線を正丸峠に向かって10kmほど進んだ高麗川右岸の山中にある。
ネット上には砦の情報は少なかったが、高麗川の南側に沿う山稜、所謂飯能アルプスへ登降するバリエーションルートの経由地になっているらしく、山行記事にはけっこう登場していた。歴史などはまったく不明らしい。
この日は1日休みだったが、前後の日が晴天だったのに朝から雨降り、天気予報とにらめっこして少しでも雨が少なそうなこの辺りの城へ登ろうとやってきたが、降りつ降らずみの中での登城になった。
西武線吾野駅少し下の国道旧道から山腹へ登ってゆく道は、地形図では細く描かれているがちゃんとした車道で、急坂ではあるが普通乗用車でも安心。
そして砦の下を通る林道へ。
駐車場など無いので路駐するしかなく、コンクリの法面防護のないところを選んで急斜面を適当に登ってゆく💦
尾根上に出ると傾斜は緩くなる。
踏跡があるぐらいだが、尾根線を忠実に辿って登れば良い。
標高250メートルの等高線あたりまで登ると、傾斜が緩くなって右後方から沢のようなものが登ってくる。
大手道?😅
ここから尾根線あたりは登れないほどの急斜面になっているので、左に寄って登るのが良いだろう。
この斜面、上が平坦っぽくて城塁にも見えてくる…
だが上はかなり外傾していて、曲輪とか堡塁とかにはちょっと足場が不安定…
それでも、ネット上の情報を探してみた限りでは、この上に遺構らしいが分かりにくい?ものがあるとのこと。
となると、ここが砦の始まりだった可能性もあるか…?
ここで左手の奥の方を見ると、左下から竪堀のようなものが登ってきて、その奥が土塁状になっているのが見える。
あの辺が虎口らしいとのことで、まずはそちらへ行ってみるか。
近づいてゆくとまず目立つのが、外側の土塁状の上に乗った大岩。
その裾は、虎口とも何とも…
土塁状は下の方に20メートルばかり低くなりながら続いて、そのうち消える。
しっかり積んでありそうじゃないの😮
さらには、尾根の東側を這うように北へ降りてゆく竪堀状が続いていた。
これは50メートルばかり下の急斜面で途切れていたが、その先は登ってくる途中で出会った沢状に続いているような感じだった…
この虎口の上には、テニスコートぐらいの広さがある平場があった。
右手に主郭らしい盛り上がりが見えるので、副郭だろうか。
この曲輪らしきの外側、虎口のところからちゃんと土塁っぽいのが続いている😮
しかも外側は、かなりの急斜面で落ちていた😮
こちら側は、ちゃんと守ってるじゃんか❗️
ここのすぐ南がごく小さなピークのようで、平場のすぐ前から急な登りになっている。
その裾、先ほどの曲輪らしきの西側緩斜面の上に、これまた広大な平場がある。
間が切岸加工などされずに緩斜面のまま。
西側の縁は何も土木工事されていないようで、緩斜面でかなり下まで降りてゆく。
この曲輪らしい平場からすぐ南にそびえるピークとの間に仕切るものが何も見えないので、上に物見台でもあるかと思って登ってみた💦
土塁のようにも見える細い尾根の東は急斜面、西は緩斜面になっている。
そして、ピークはこんな感じ。
ひいき目に見ても六畳一間ちょっとぐらいで、見た目はふつうの丸いピーク。
曲輪になり得るか…?
西の緩斜面の下に曲輪みたいなのが見えるな…
ここから先の尾根は、いったん少し弛んでから再び急登になっていて、堀切などは見えなかった。
しかし西側に見えた平場は、削平されたらしくキレイな平面✨
この周囲も切岸加工などは無さそうで、緩斜面のまんまのような感じだった。
全体にこんなもんで、結局3面のかなり大きな曲輪と北東のほうの虎口や土塁、そして登ってくる竪堀状だけらしかった。東側は割としっかり守っているが反対側や南の尾根続きは自然のまんまのようで、設計思想がよく分からない印象の砦だった…
★平野砦
埼玉県飯能市坂石町分
スペース無いので登城口付近の林道に路駐。無余地にならぬよう注意。
山城
(2025年11月12日 記)



















