大平新城は沼津と函南の境付近、狩野川に向かって南から張り出してきた尾根の末端にある。麓には圓教寺があって、かつて居館だったといわれる。
もとは寿永元年(1182年)に北条時政がこの地に関所を築いて西の守りとし、文治二年(1186年)に富南城に拡張したのが始まりという。その後40年ほど使われたが以降は城主不在となり、鎌倉時代末期に一時城主が置かれたが再び戦国時代末期まで放棄されていたらしい。元亀年間(1570〜1573年)ごろに後北条氏が戸倉城と韮山城の間にあるこの城を修築したが、天正十八年の小田原合戦により廃城になったとか。
朝イチで函南の東の方にある2つの田代城(Ⅰ、Ⅲ)に登り、午後は西の方へ移動して圓教寺から登ることにした。
登り口は、北西側の麓の圓教寺横にある。
この圓教寺の境内は、当時は城主の館跡だったとか。
今が盛りのオオシマザクラ…かな?🌸
登城道は境内横から墓地へ上る道から始まる。
登り始めに説明板が立っていた。
登ったときはよく読んでいなかったが、この城には3つの曲輪があって云々とある。
墓地の上がそのうちの一つということは分かったが、残りが墓地の北西側と古城への途中から北東に突き出た尾根上にある七面大明神のある場所ということは、後で知った😅
ったく下調べもちゃんと出来んのかオノレは…😮💨
墓地を通り抜けるとコンクリ道は終わる。

虎口を入ると、そのまま歩きやすい道が続いている。
左側の壁のようにそそり立つ斜面が、もう切岸のようだ😮
しばらく進むと曲輪の反対側の端に到達したらしく、左手前側から道が入ってくる。

分岐の傍らには、石碑と説明板が立っている。

この先も城域が続くらしいが、ここに堀切などは無く、尾根末端の盛り上がったところを削平して曲輪に仕立てただけのような感じだな🤔
左の道に入ってみる。
帯曲輪か武者走りのようなところらしく、東側を守る高い切岸がそそり立つ。

奥には浅間神社。
文治二年(1186年)に北条四郎時政が大平新城の前身たる富南城に祀ったのが始まりということで、城と歩みを共にしていたか…
さて、曲輪に登る動線がないなぁと思っていたら…
神社脇の、そんなトコにあったか😮
えらい急坂💦
登ってみると、テニスコート1面半ぐらいの曲輪が一つ。
真ん中が少し高く、西のほうが少し低いか。
ここにも🌸
今年も、城と桜これだけになりそう…😂
よく見ると、先ほど通ってきた道の分岐から登ってくる動線もあったようだ。
曲輪の南の舳先から見下ろしたようす…
七面大明神のある曲輪へ
最初の曲輪はこれだけなので、ここから降りて先の方へ。
最初は平坦だった道は、しばらくで登りに変わる。
整備は行き届いていて、歩きやすい✨
迷いやすいところには道標も✨
道は、右へのヘアピンカーブになっている。
このヘアピンカーブの向こうに、徳川家康側室お万の方が帰依していたという七面大明神がある。
そこも曲輪だったとのことで、古城へ行く前に寄り道してゆく。
七面山に見立てた岩山の傍らにひっそり佇む社殿…
岩山の傍らには井戸があった。
なぜか枯れることがないということで、この時もちゃんと水を湛えていた…😮
社殿。
扁額には『七面精舎』とあった。
ここから直接麓に降りることは出来ないので、大平古城へのコースからのアクセスが唯一となる。
まぁ古城へ登る道すがらなので、ここはターンしてヘアピンカーブへ戻る。
少し登ると、小ピーク。
大きなスピーカーとか置かれているが、何となく平坦。
じつはここ、韮山城との間の連絡を担っていた狼煙台だったとのこと😮
なるほどね
トラロープの設えられた坂をひとしきり下った先には、明らかな堀切も刻まれてるし🤯
尾根が狭くて底からの写真は撮れないけど、2メートルぐらい穿ってる。
この堀切からさらに進むと、こんどはバドミントンコートより狭いぐらいの平坦な小ピーク。
ここも曲輪らしいが『傘松峠』という古びた看板が掛かっている…
たおやかな歩きやすい尾根なので見過ごしがちになるが、ここの側壁…
怖えぇ〜っ🥶
恐らく麓まで、30メートルはバッサリのガケになっていた。
さらには、その先…
ガッツリ堀切でねーが🤯
さっきのピークからトラロープの設えられた急坂を5メートルほど下った先が、明らかに尾根を穿った堀切状になっていた。
道はここを土橋状で渡っている。
先ほど看板にかかっていた『傘松峠』はここらしく、西の方から道にも見える竪堀状が登ってきていた。
東側は…よう分からん😂
城域はここまでとのこと。
すでに新城―古城間の1/3ほどまで来ているが、まだ先は長い…💦
焦らずに進むか。
最初は圓教寺裏の曲輪一つだけの城とカン違いしていたが😅実際には付近の山稜を取り込んでピークを曲輪、キレット状を堀切に仕立てた城だった。
ここから大平古城までの尾根も重要な連絡通路であったらしく城塁に加工したらしい跡があちこちに見られるようで、獅子浜城までが一城別郭のように連携していたようすが垣間見えた…かな?
( 函南 大平古城に続く)
★大平新城
静岡県沼津市大平
麓の圓教寺の駐車場が使えるとの情報もあるが未確認。日守山公園駐車場からだと徒歩15分ほど。
山城
(2025年4月14日 記)