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江戸城の南東側には、武家屋敷が立ち並ぶ西の丸下という曲輪があり、その外側も堀に守られていた。いまの皇居外苑にあたるところ。

この堀は外桜田門のところで内濠とつながり、城内吹上の西を通って半蔵門にいたり、さらに北の丸西側の千鳥ヶ淵へとつながっている。

 

実際には初日に大手門から出て和田倉濠の北端付近を見、そこで時間切れとなったので二日目に西の丸下の残りを見、最後に外桜田門から半蔵門〜千鳥ヶ淵という経路で歩いたのだが、ここでは和田倉濠から順番に回ってゆく経路に編集した。

 

刻印パラダイスの和田倉濠

 

現在位置(Googleマップで)

まずは、西の丸下を囲う堀の最北端に位置する和田倉濠から💨

内堀通りを大手町側に渡って、和田倉噴水公園の北側へ行くと、それなりの幅のある堀が東へ伸びている。

北側が大手町のビル街なのに対し、南側が穴太積み石垣という、時代が交錯するところ😮

 

そして、ここの石垣がまた刻印天国と教わったんだが…

 

あるね🙌
◯三つのベン図みたいなのは、浅野家。

(位置①)
 
中央の石に…動物?

(位置②)
 
黒田家の裏銭紋も…

(位置③)

 

写真の位置は下図の通り。

刻印を望遠で撮ったときは、もっと左の大手町寄りから狙った。

 

石垣の内側には、大名小路の北端から西の丸下に入る和田倉門があった。

その内側、噴水公園側から見上げる門跡の石垣😮

 

中は、他の門と同じ枡形門。

 
ここに刻印らしいものは見つけられなかったが、1個だけキレイなスダレ仕上げ✨

 
和田倉濠は門の南で御幸通りの土橋に区切られ、馬場洗濠と名を変えて続いて南へ続いている。
南端は馬場洗門の土橋。

 
その馬場洗門は都道406号に切り広げられて、北側の石垣が残るぐらいになっている。
というわけで、簡単に確認だけして南の日比谷濠へ💨
 

水上要塞の威容!日比谷濠・凱旋濠

日比谷交差点の前で堀は西に直角に折れるので、その舳先の方を交差点から遠望。
こう見ると水上要塞の威容😨

 
堀に沿って西へ進み、次は内堀通りが渡る祝田橋へ。
これは日露戦争の勝利祈念で架けられたもの。

 
日比谷濠西端の石垣。
この写真の左側の内堀通りに面したところは架橋の時に崩され、積み直されている。

 
祝田橋の北側は凱旋濠と名を変える。
これも日露戦争後の命名か。
この石垣の裏側が、皇居外苑=西の丸下の外桜田門につながる土塁。

 
外桜田門が見えてきた✨
桜田門外の変が起きたのは、ここからもう少し西か…

 

城の進化が凝縮された?桜田濠

 
ここまで城内側はずっと石垣だったが、先は土の城チックな土塁に変わる。
それでも、普段見てる山城とかの堀に比べると一ケタ違う広さ😮


戦闘に銃火器が用いられるようになり、その攻撃を防ぐためにこれだけの広さが必要になったとか。

対岸の土塁。
このあたりの城内は吹上になるか。

 
堀は次第に北へと向きを変えながら続いている。
国会前交差点あたりから遠望する外桜田門。
城内側が石垣から土塁に変わるところが、ハッキリ分かるビューポイントか✨


中世の土の城から進化の最終形たる江戸城までの進化の過程が、この景色の中に凝縮されている…?

国立劇場の前あたりまで登ると、半蔵門の土橋で堀が塞がれているのが見えてくる。

 
このあたりから外桜田門は見えなくなっているが、土の城チックな堀と両岸の土塁・切岸が一望できる。
ここもビューポイントだろうが、歩道が狭く皇居ランコースでは下り坂に掛かるところでペースアップするので、ぶつからぬよう十分注意されたし。


半蔵門から千鳥ヶ淵公園へ

 
坂を登ること少しで、半蔵門の土橋が間近に。
こりゃアースダムと言っても分からんな🤯

 
半蔵門を過ぎると、半蔵濠と名を変えて北へとつづく。
両側の土塁や切岸がスゴい高さになっていて、丘になっている此方側との間を断ち切る堀切の役目も負っている…?

 
途中から、城内側の土塁上に鉢巻石垣が載っかる。

 
いまは代官町通りが渡る、半蔵濠の北端から南の方を振り返る。
土橋で渡っているが、これは明治になって埋め立てられて出来たとのこと。

 
ビューポイントではあるが、ランナーが行き交ってるし、皇居のすぐ外側にあって土塁の上にSPらしい人たちもいるし、なかなかに緊張する😅
 

千鳥ヶ淵から田安門でコンプリート🙌

 

そして、ラストになる千鳥ヶ淵へ。

外側の緑道へ入っていったが、戦没者墓苑の先あたりまでは首都高都心環状線がすぐ内側を走っていて、土塁の上の石垣とかがわずかに見える程度。


ボート場や公衆トイレのあるところまで行くと、濠の断面がキレイに見渡せる。

 

内側は北の丸だが、半蔵濠と同じくここも鉢巻石垣。

 

靖国神社の前まで行くと、田安門に向かって90°東に折れる。

 

この上に載っている鉢巻も、算木積みになって折れていた。

可愛らしい算木積み😊

 

これで、田安門から始めて足かけ二日がかりの江戸城探訪が、だいたい終わった🙌

東京はコンクリートジャングルで自然にも史跡にも乏しい…なんてのは、大変な思い込みのようだな…

こんな素晴らしいものがテンコ盛り、しかもほとんど現存のやつなのが、よく分かった。


それにしても石垣に刻まれたものの多様なことよ😮

石垣に刻まれた刻印には大名家の紋だけでなく色んな種類があるし、安倍晴明紋の護符も城内6箇所にあるとか、石樋も二つしか見つけられなかったし、奥の深い世界らしい…

これを一名『沼』とも呼ぶらしいんだが…😂

 

★和田倉濠、日比谷濠、凱旋濠、桜田濠

 半蔵濠、千鳥ヶ淵

東京都千代田区

地下鉄日比谷、桜田門、半蔵門、九段下が最寄り駅。

 

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(2025年2月19日 記)