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源経基館は鴻巣の町からすぐ西の荒川沿い、鴻巣高校の南隣にある。ちょうど段丘の端っこにあって、西側が荒川沿いの平地に面している、という立地。

天慶元年(938年)に武蔵介として東国に赴いた源経基がこの地に館を構えたと伝わっているものの、1987年に行われた発掘調査で出てきた出土品は中世の陶磁器片ぐらいで、館が築かれた時期を特定することは出来なかったとか。


ここはシロウト時代、たぶん6年ぐらい前に訪問していて、平安時代の館というわりには立派な堀が囲んでいるのに驚いたことを覚えているが、印象が薄くなったのでこのあたりに来たのを機会に訪問した。


現在位置(Googleマップで)

鴻巣高校の前から南に入ってゆくと道端の森の前に説明板が見えてくる。

分かりづらい住宅地の路地を抜けて入ってくると、これが良い目印。


森へは、入口の案内があるので、ここから森の中へ。

この前に車を停めておけそうにも見えるが、駐車場所ではないらしい。


入ったところは、帯曲輪みたいな平場。

奥が一段高くなっているのが見える。


この段は、人の背丈より少し高いぐらい。

傾斜はだいぶ大人しくなってるな…


段から上に上がるところ…

踏跡は出来てるけど、斜面そのまんまだったような感じ。


段を上がると主郭。

ソフトボールぐらいできそうな広さがある😮


この南西側に、高さが3メートルぐらいある大きな塚が盛り上がっている😮

これはシロウト時代には見過ごした…


上は削平されていて、外側に鴻巣高校のグラウンドが樹林越しに見える。

段丘の上になるそちら側よりも高く、中世の城館なら櫓台になってそうなところ…


この塚から、そのままの高さで館の西側を守る土塁へと繋がっている。


そして階段で向こう側に越えられるようにもなっている。

ここと北端にも、同じような階段がある。


土塁は、両側が杉の木や灌木になった下草に覆われていて、土塁らしく見えない😂

まぁ、森としては不健康ではナイってことか…?


そして、外側には立派な横堀✨

土塁の天端付近以外は土むき出しで、薬研の断面がキレイに見える✨


北東の端で折れているのだが、ここが鬼門に入れる缺のようになっている。

ちょうど鬼門にあたる方角で、魔除けの缺を入れたようだ😮


缺から南は、また一直線の空堀。

館の外になる左側すぐに鴻巣高校のフェンスとかが立っていて、二つの時代の境界線になってる、ってか…


この堀を南端まで行くと、外側が一段高くなっている一角があり、こちらからも館内に入れるようになっている。
ここから見下ろす、東辺の空堀✨

左側は館の南側を守る堀になるが、すぐに住宅に埋められている。

外周の堀を見られるのは、このぐらいのようす。
堀から土塁を越えてゆく階段道を通って館内に戻る。
南側の堀の内側には、立派な土塁が沿っていた😮

濠は途中で住宅に埋められているが、土塁は反対側までしっかり続いているようだった。

ざっとこれだけの、単郭の素朴な館。
発掘調査では館が使われた時期を特定するには至らなかったにしては、中世っぽい雰囲気を色濃く遺しているように見えた。
実際には、どうだったんだろう…?

 

★源経基館

埼玉県鴻巣市大間

近くの大間近隣公園の駐車場利用だが休日は混雑するらしい。

丘城

 

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(2025年2月14日 記)