平瀬の烽火台は、昇仙峡のすぐ南の県道7号沿いに構える標高584メートルのピーク上にある。
戦国時代に武田氏が躑躅ヶ崎館と甲斐国北西方面との連絡のために築いたとされるが詳しいことは不明。
近年重機による改変が行われたとの由で、往時の遺構は分かりにくくなってしまった。
この日は躑躅ヶ崎館、湯村山城と調子よく制覇した勢いで、麓にある市営の無料駐車場から徒歩で登ることにした。
遺構が壊されたことは、登る前は知らなかった…
昇仙峡に向かう県道7号から別荘地に入る。
分岐が多いが地形図(電子国土Web)では一本道なので、それを確認しながら車道終点まで登り、そのまま山道に変わってもひたすら登ってゆく。
道は重機が通れそうなもので迷うことはないが、途中の落ち葉が積もっているところにヤマビルがいるようなので、ヤマビルファイターや虫除けスプレーなどが必須。
やがて、山頂が近くなってくると重機が入った跡が残るようになり、斜面に石もたくさん転がっている。
上の方に頂上らしいのが見えてくる。
山頂の入口に倒木。
ワンちゃんの置物かと思ったよ😂
周囲に重機道らしいものが付けられて、どこからが遺構なのかサッパリ分からなくなっていた😂
それでも、真ん中のいちばん高いところが主郭だろう。
登りついたところは東の方に張り出した馬出のようになっていて、これは烽火台の遺構らしい。
その北側にも、何やら最近削るか掘るかして出来た平場らしいところがあるが、コレは破壊された痕らしい😢
本来は、主郭を取り巻くように細い帯曲輪が伸びていたらしい。東側のそれは埋もれかけながらわずかに残っていたようだが…
主郭は、テニスコートぐらいの広さでキレイに削平されていた。
北側には少し灌木あり。
周囲の斜面は、切岸加工というほど急峻でもないな…
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240624/08/diis2002v1/75/fc/j/o0900060015455279561.jpg?caw=800)
小さな祠が立っている。
小ぎれいにされてはいるようす…
南側は、土の平場。
樹林で展望は利かないが、たしかに狼煙を繋ぐのに丁度よい立地らしい。
何しろ周囲の平場が帯曲輪なのか重機で削ったり掘ったりしたものなのかが分からなかったので雰囲気はイマイチだが、狼煙を繋いでいた様子を妄想することは出来るだろう。
あとで調べたところによると、ここは土地所有者に無断で開発が行われ遺構が破壊されたことが、SNSに投稿されたことで世に知られたという。
今回見てきた削平された主郭や大きく掘られたような痕も、この開発によるものであったようだ。
これが事実なら、明らかに犯罪行為。
悪意を持った人間などから歴史、文化、土木の遺産を守るのには、土地の持ち主や地元の力だけでは無理なこともあるだろう。
出来るだけ多くの目をかけて、忘れ去られないようにすることが第一歩か。
★平瀬の烽火台
山梨県甲府市平瀬町
少し歩くが天神森の無料駐車場利用が無難。別荘地に入ると駐車場所は乏しい。暖候期はヤマビル注意。
山城
(2024年6月26日 記)