トップページ 都道府県別索引へ

 

小屋下城は、旧麻生町――今の行方市麻生――の中心部から城下川をさかのぼること1.3kmほど、広大なゴルフ場のある丘の南端を占めている。

ゴルフ場はこの丘全域を占めていて、この城のある丘の突端周辺だけがわずかに残されたように見える。

城に整備の手などは全く入っておらず忘れられた城のような雰囲気であり、よくゴルフ場に崩されなかったものと思う。

南の麻生城との位置関係から支城であったとも攻略のための付城であったとも考えられそうだが、来歴なども不明とのこと。

 

ネット上で探しても攻略の記録が少なく、それらによればヤブが猛烈だという事だったが、ちょうど寒い時期で生き物によるリスクは少ないと判断し、前日の麻生城に続いて攻略することにした。

 

城には南の方から近づいてゆくことになる。

近くまで来ると、2つのピークが並んでいるように見えてくる。

城が潜むのは、右側の盛り上がりの中。

 

とにかく車を停める場所を探してウロウロし、だいぶ北の方のゴルフ場下に辛うじて停め、ここから軽トラ道を歩いて城の前まで行った。

真冬のこの時でも軽トラがけっこう通っていたので、道を塞いではいけない⚠

 

さて城の南西側まで来た。

このあたりに主郭を取り巻く空堀の西端が出て来ているらしいのだが、土壁にササヤブしか見えない…💦

出来れば堀の中に登りつきたいが、探すだけでも大変そう…

 

ここは、2つのピークの間にあるという畑まで登る道を登り、右側の斜面の登れそうなところから取り付く。

私が取り付いたのは、このあたり(Googleマップで) 

じつは、斜面の下をウロウロしているところに地元の方が通りかかり、ここから登れることを教えてくれたのだ🙇

これについてはラストで。

畑は今は耕作されていないように見えたが、人の土地と思われる。荒らさないように。

 

南端あたりから登ったところ、取り付きの3メートルぐらいがヤブの急斜面だったが、その上は奇跡的にヤブが少なく、傾斜も緩やかだった。

てっぺんまで難なく登れるが、野バラが多いので注意がいる⚠

 

この斜面を登りきると…

 

あったーっ🙌

 

主郭を囲む空堀の南西端だろう。

幅10メートルぐらいある。

ヤブの城と聞いたが、思いがけずハッキリ見えるではないか😮

 

外側も、高さ3メートルはある土塁に守られている。

思った以上に、立派なものだ✨

 

堀底に立ってみる。

 

如何せんササが濃いぃので見通しは利かないが、薬研のV字はハッキリ見える✨

 

堀の向こう側は、確かな曲輪としては唯一となる主郭だが、切岸が鋭く高さもあり、さらに登ってもヤブっぽい様子が見え見えだったので、登らずに空堀を北に進むことにした。

 

少し進むと完全にササのヤブになり、10メートル先も見通せなくなった💦

それでも、堀のV字は見える。

 

外側の土塁は、高くなったり低くなったりしながら、ずっと外側を守っている。

南端から50メートルばかり進んだこのあたりでは、外側がゴルフコースになっているのが見える。

辛うじて残った感アリアリ…

 

北端まで行くと、東に向かって折れているのがハッキリ見える。

このあたりはヤブが薄いみたい…

 
土塁も、空堀の折れに合わせて東にカーブしている。
 

折れ曲がった先では、V字がクッキリ✨

 

主郭側の切岸は、5メートルぐらいの高さがありそう。

そそり立つ壁のようで見事✨

 

主郭に虎口らしい場所は無さそうだが、30メートルほど南に行ったここ、右から斜めに登っているバンドがあるように見えるが、あるいは…?🤔

 

この付近で主郭に登ってみたが、一面のササヤブで5メートル先も見通せないほど💦

それでも、きちんと削平されていた曲輪なことは、見て取れる。

 
ヤブの中に突っ込んでも何も見えなそうなので、切岸を降りて空堀に戻る。

空堀は折れを伴いつつ南に続き、城山東側の斜面に飛び出して終わっていた。

 

外側の土塁も、ここまで消えることなく続いていた✨

 

そして…

 

外にもう1条、あるね…😮

 

写真では実に分かりづらいが、この南端付近だけは外側にもう一本の空堀が入っていた。

 

上から見た印象よりはだいぶ浅いが、ちゃんと空堀になっている。

 

そして、この空堀状の北側には、何となく帯曲輪のようにも見える平場が、堀底より2メートルほど下がって続いていた😮

北側に続く土塁の外側に、ちゃんと沿っている。

 

この空間、意外に奥まできちんと削平された状態で続いている。

100メートルぐらいで末端か…

外側は、きちんとした段になっている。

 

最末端は一段下がって、バドミントンコートぐらいの広さがある平場で終わっていた。

 

この空間は、ゴルフ場からは十分離れているので関連工事で出来たものではないだろうけど、城の遺構かとなると、分からん…

素人でもあるし、判断はムリ…

 

さて東側の空堀を南端まで行くと、その先は急斜面で城山の麓に向かって落ちていた。

城内とは比べものにならないぐらいの猛烈なササヤブだし、麓までは数十メートルの高低差もあるしで、ここを降りて城外に出るのは厳しい。

空堀を戻って、最初に登ってきた西側南端から出るのが無難だろう。

 

いやいや、城外から見たときは聞きしにまさる壮絶なヤブと思ったが、中に入ってしまうと思っていたほどではなく、遺構もハッキリ残っていた✨

来て良かった😊

 

ところで、城に登ろうかというところで、地元の方のお話を聞くことが出来た。

常陸国風土記にこの地域のことが省略なく記述されていること、麻生城と島崎城のこと、さらには戦時中に城のある丘の南端付近に射撃訓練の標的が置かれていた事、など興味深く伺った。

そして、この地元が文化財の保存に熱心でない事、隣接するゴルフ場に潰されたところがいくつもあった事を嘆いておられた。

文化財に対する姿勢に地域間で温度差があることは、城組(一般社団法人)の山城ガールむつみ さんも仰っていた。

文化財の多い地域だと探して整理するだけでも大変だろうが、地元にはエネルギーのあることが感じられただけに、奮起を期待したいと思う。

 

★小屋下城

茨城県行方市麻生

車を停める場所が無い。農閑期でも車は通るので道を塞いではいけない。

丘城?

 

トップページ 都道府県別索引へ

 

(2024年1月9日 記)