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この城はかつて拓かれたという山道がすべて荒廃してしまったようで、2023年11月現在明確な登城道がありません。のみならずかつて道があったとされる東側、南側とも急峻で、転倒などするとかなりの距離を滑り落ちる可能性もあると思われます。ルートは短いものの経験と技術が必要でしょう。山慣れない人の単独訪問は避けたほうが良いです。

北西の金時公園から登り、尾根を進むルートもありますが、こちらは迷い道に注意です。


生土城はJR御殿場線駿河小山駅から鮎沢川の対岸に聳える城山のピークやや東方の尾根上に曲輪を並べている。川から旧国道246号を挟んですぐに高い山が立ち上がっていて、非常に目立つ。

じつは帰りのときに撮った写真😂


室町時代にこのあたりに勢力のあった大森氏の城とされ、応永二十三年(1416年)の上杉禅秀の乱の時には鎌倉から逃れた関東公方足利持氏がこの城に三年間とどまったともいわれる。その後の来歴は不明らしい。


比高100メートルちょっとだが、地形図で見ると等高線の間隔が麓の方で狭く、稜線に出るまでが苦労するところ。

注意!GPSログではない!経路は不正確

 

この日は電車で訪れ、駅前からてくてく歩いて麓までやってきた。

 

登り口が南の麓の雲霧神社にあるというので、まずはそちらへ行ってみる。

山裾の一段高いところに幟がはためいているが、表通りからは奥まっていて分かりにくい。

 

境内は小ぎれい。

社叢林に覆われているのではなくカンカン照りのお陽さまに照らされる立地で、神社っぽくないような感じも…

 

境内いちばん手前の右側に、擁壁のスキマがあって階段が登っているので、ここから入山する。

道ではないようで、少しだがコンクリ壁の上を歩くことになる。

 

ここから左に少し進んで、あとは登れそうなところから上へ上へと進む。

踏跡も全く無い斜面の直登だが、なぜかトラロープの張られているところがある…

 

道もない急斜面に立つ、この立て札…

かつては道があったのか、それとも我々のようなアウトロー(笑)向けに、背後の沢に降りないよう促しているのか…

 

とにかく、土が柔らかくてグイと踏み込むとズルズル滑る。

掴まる立木も少なくて、疲れる登り…💦

それでも標高320メートルを越え尾根が見えるようになると、斜度が一気に緩くなる。

 

尾根まで詰め上げると、そこは三角点から30メートルほど南東だった。

何となく広がった尾根だが、天端は丸い。

 

近くの立木に缶が被せられている。

駿河小山方面へ下山する時には、このあたりから真っすぐ降りればよいだろう。

 

さて、この時点で城がどこにあるのか全く理解していなかった。

このあとしばらく尾根を徘徊して、城にたどり着くのにしばらくかかった…😂

実際には、登り着いた位置から東の方に200メートルほどのところだった…

 


三角点の方に向かって、城郭なような違うような尾根を北西へと進んでゆく。

そう。城とは逆の方に行っちゃったのだ😂

 

最高点は、六畳一間ぐらいの狭い空間だった😮

曲輪かどうかも定かでない…💦

 

このピークに三角点がある。

「落合」という四等三角点だそうだ。

 

北に落ち込みつつ続く尾根。

狭すぎて曲輪になりそうな感じがしない…

 

その先、国道246号の城山トンネル真上にかかるところで、尾根は急に高度を下げ、細くなる。

 

その低くなったところのコレ、尾根を穿ったように見えなくもない…

 

その先に100メートルほど入っていたが、細くなったアップダウンのない尾根が続いているだけだ。

城は三角点の南東だということで、コレ以上進んでもしょうがない。

引き返した💨

 

三角点あたりから南東に続く尾根。

城かどうかは分からないが、ダイナミック🙌

 

三角点を通り越し、先ほど詰め上げたあたり…

 

よく見ると、南北二段になってね?🤔

 

低い方…

少し外傾しているが、城郭の帯曲輪に見えなくもない…

 

高い方…

幅5メートル、低い段からの高低差1メートルぐらいだが…🤔

 
これが城の遺構かと言われると、怪しいだろう。
もっとも我々のようなシロウトには、眼の前の地形が土木工事の跡なのか違うのか、見分けるすべは無い…

 


そこから丸い尾根を50メートルも進むと、100メートルぐらいの長さのある、幅15メートルはありそうな広い平坦地があった。

 

その末端には…

 

コレ、堀切じゃね?😮

 

だいぶ浅いけど堀切だよね?

 

そして、その先は少しずつ下っているが、土塁か櫓台のような尾根…

 

ひょっとして、ココが城?😮

 

下ってゆく土塁のような尾根は20メートルぐらいで終わっていて、その北側から尾根の先に回り込むように削平地が広がっている。

 
見つけた〜🙌

 

尾根の裾には、完全に傾いた赤い屋根の祠…

地元からも忘れられてしまったか…

この削平地には、井戸を思わせるこんな穴も開いている。

間違いなく、ココが城の中心部だな😮

 

しかも、奥の一段下がったところに同じような広さの平坦地が😮

 

ハッキリとは見えないが、北の方から斜めに降りてゆく動線のようなものも刻まれているようす。

 

足元には、コンクリで固められた井戸跡か?

 

末端まで行ってから振り返る。

城内で上の曲輪を見上げた時そのものだな…🤗

 

北側に入り込んでみると…

この斜面、相当に急😮

切岸加工されていたかな?

 

さて、この城への出入り口が、どうにも見つからない…

東の方へ尾根が降りているので、城内の東側を占める下段の東側に登ってくるんだろうけど…

またまた薄くてよく分からないけど、コレかな?

 

東側はしっかり土木工事されていたらしく、曲輪の末端から急な斜面になって落ちていた。

 

ざっと、これだけの簡素な城らしい。

東の末端で標高だいたい300メートル、三角点から250メートルばかり尾根を辿ってきたことになる。

 

さて下山するんだが、ネット上で見かけた情報を総合すると、以前は城の東、南、西からそれぞれ山道が通じていたらしい。

が、いま登ってきた南からのルートは道と呼べるものではなかった…

東側はどうかと思い、尾根らしいところを拾いながら降りて行ったんだが…

 

ここにも、道らしいものは無かった。

 
ほとんどが斜度45°にもなるような土の急斜面、踏跡もないので降りやすそうなところを拾いながらの下山になった。
途中、紅葉の混ざる森の脇を通る…

 

下の方に道路が見えてくると、こんどは猛烈なヤブに突入する💦

数メートル先も見えないほどササが密生し、わずかに薄いところをすり抜けたり手でかき分けたりしながら進む。

すぐ下に道路が見えるのに、急斜面で足元はきついし前が見えないほどのヤブ…

 

そして極めつけに、道路のすぐ上まで降りてきたというのに、フェンス付きの擁壁…

これが、間を抜けて降りる場所が無いタイプで、降り口を探さなければならない。

それなのに、擁壁のすぐ隣までササヤブがくっついているので、フェンスに沿って移動するのもヤブコギになる。

ここは左の方、北に向かって進むと擁壁の端から外に降りられる。

 

降りるまで全く道らしいものが見当たらなかったので、不審に思ってこの辺りをいろいろ探ってみたが、やはり道は見当たらなかった。

度重なる災害で、跡形もなく崩れ去ってしまったか…

ともかくも、現代の我々にとっても難攻不落の城のようだ…

 

金時公園からのアプローチ編に続く)


★生土城

静岡県駿東郡小山町生土

城の周囲に駐車場無し。駿河小山駅から徒歩10分ほど。

山城

 

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(2024年3月2日 記)