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小菅城は、小菅村役場の裏にそびえる天神山の頂から北に伸びる尾根の上にある。

室町時代の初め頃に、このあたりに勢力のあった小菅遠江守信景が築いたといわれる。その後の来歴などは分かっていないようす。

 

前日に奥多摩トバ口の枡形山城と辛垣城を訪問したが、周辺をきちんと調べておらず行きあたりばったりしてるうちに都県境をまたぎ越えた先にこの城を見つけたので、登ることにした😅

 

城への登り口は、役場の臨時駐車場すぐ横。

駐車場は休日でもけっこう混雑するので注意がいりそう。

後で調べたら、西の方の箭弓神社に駐車場があるとの事。そちらを利用した方が良いだろう。

 

木碑が立っていて、コンクリの階段で登っている。

 

階段を登ると一気に道が怪しくなるが、まずはフェンスに沿って右に曲がり、少し行くと踏跡が植林へと登っている。

 

植林の中を10分も登ると、「虎口」という案内の立つ場所に着く。

 

確かに案内の前はちょっとした平場になっている。

ここから掘り込まれた虎口へ入ると、右へ折り曲げるように狭い切り通し状に通される。

寄せ手を滞留させ一列縦隊になるよう強いている。

 

そして見逃せないことに、虎口を登った城道がツヅラ折れになりながらさり気なく虎口真上を通っている😮

ここから、小規模でも攻撃を仕掛けられるのね…

 

今まで見た中でも、いちばんシンプルな部類の虎口かも知れないな…

 

虎口からヘアピン2つも曲がりながら登ると、分岐に出る。

左へ行くと箭弓神社の方へ降りてゆくらしい。

城は正面の階段へ。

 

「破壊ヶ所」という、穏やかならざる場所…

 

右手には帯曲輪。

「帯状腰曲輪」という札が立っている。

なるほど…🤔

 

この帯曲輪は、主郭の下をぐるりと囲んでいるらしい。

まずはそちらへ入ってみるか💨

 

南側は削平跡もハッキリしていたが、東側に入ると倒木や枝打ちの枝などで、少々荒れていた…

 

それでも、少し進むと短い竪堀が…

ほんの5メートルほどで終わってしまうコレ、城郭遺構なのかな…?

 

さらに50メートルぐらい進んだか。

 

見えてきた…

 

美形の堀切🤗

 

主郭と北側とを仕切る堀切は、周りで生長している杉の木が目障りなものの、美しい土の曲線を描いていた✨

 

この堀切から北にも同じような斜面が続き、帯曲輪も不明瞭ながら続いているようだ。

 

堀切を反対側に抜けてみると、そこにはベンチが…

だいぶ苔むしてる…🥺

 

堀切から北も城域は続いていて、尾根上に曲輪が並んでいる。

堀切の西側は山道が通っていて、ベンチは利用者の休憩のために置かれたようだ。

そのまま北に続く山道は、もとは城の帯曲輪だったのだろう…

 

山道を少し北に行くと、尾根側に少し食い込んだところに可愛らしい堀切🤗

これも美形✨

 

この北も曲輪っぽい感じなので行ってみたが、どこまでが城なのかよく分からなかった…

山道が尾根を横切って隣の谷に降りてゆくココか?

近くには「堀切」という案内が引き抜かれて転がってたし…🥺

 

ここから尾根に登って、主郭のほうを望む。

天端が明らかに削平されている。

 

主郭寄りに進むと両側が丸くなってるし、城内に向かって少しずつ登っている。

全部が曲輪だったかは分からないが、段々が続いていたのかな?

 

先ほど山道の横に掘られていた可愛らしい堀切は、こちら側の眼の前に立ってみると奥の曲輪の裾をバッサリ切り落としていた🤯

そんなに深くはないけど、向こうの曲輪の威圧感と合わせて、印象的だった。

 

南の曲輪へは、堀切の側壁から登るしか無いようだ。

虎口らしいものも無い。

登ってみると、さっきの曲輪より灌木が多い…😮

 

主郭寄りの方はそれほどでも無かった。

そして少し下がっている。

 

ここは北側の高いところと主郭寄りの二段構造だったのかな…?

 

そして、南の突端から見上げる主郭の威圧感に、裾を横切る堀切の深いこと🤯

ここ絶景ポイントか✨

 

この堀切から主郭に登る道はない。

山道を南に進んで『破壊ヶ所』のところから登ることにした。

 

この階段、山肌を直登しているような感じで相当急だし、足元の土が少し柔らかくて石が動かないか不安になりそう…

それでも無ければ木に掴まって斜面直登になるようなところだから、ありがたし🙇

 

主郭は、背後の土塁の傍らに祠が立つ、思いの外に小ぢんまりとした空間だった😮

ここは天神山の山頂でもあるらしい。

 

右手には立派な説明板。

縄張図も入っている。

 
 

そしてココ、周囲より一段低くなっている。

西の方の一段高いところから見ると、ちょっとした箱庭のよう。

 

祠の背後の高まりは、たぶん北を守る土塁と思って、西から回り込んでみる。

説明板の前あたりからは3メートルぐらいの高さ。

 

横から見ても登ってみても、天端は意外に広くて、櫓台か何かになっていたような感じがする。

 

東側にもトレイルが入っていたので行ってみると、一段低くなった端っこにちょっとした広場があり、そこで終わっていた。

樹林がなければ東方の物見にピッタリの場所だ。

 

これでだいたい全貌だろう。

 

基本的な作りは、天神山の山頂を主郭にして、北に伸びる尾根を削平して要所に堀切を入れた、連郭式のシンプルな山城の趣だった。

それでも主郭裏の堀切は深くて鋭いし、東西の両側面に通路にはなりそうな帯曲輪もシッカリ入っている。登城道の途中に簡素ながら考えられた構造の虎口が置かれているのにも興味を惹かれた。

 

小柄でシンプルながら基本的な土木工事をキッチリ施した城、という印象だった。

 

★小菅城

山梨県北都留郡小菅村

県道18号を丹波山方面に少し入った箭弓神社に5台分の駐車場あり。

山城

 

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(2024年2月29日 記)