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志苔館は函館空港のすぐ南隣、津軽海峡に面した高台の縁にある。

築城がいつかは分からないらしいが、郭内に14世紀末頃と見られる土木遺構が見つかっているのが最も古いらしい。津軽海峡一帯を治めていた安藤氏が置いた道南十二館の一つであった。長禄元年(1457年)のコシャマインの乱では真っ先にアイヌ勢により陥落され、そのまま廃城となったらしい。

国指定史跡、続日本百名城。

Wikipediaに記事、函館市のWebサイトで紹介されている。


新千歳空港からレンタカーを走らせること半日以上、曇り空となった朝から攻略開始っ💨

 

海側を走る国道278号からは、志海苔川にかかる橋の袂(Googleマップで)から丘へ登ってゆく道に入るとすぐ、右手の丘の上に見えてくる。

それほど長い狭路ではないが、かなり急な斜面で道幅も狭いので緊張する。

館の駐車場は狭く、アプローチの最後が土むき出しの急坂になっているので、無理に入りたくないところ。

丘を登ると函館空港敷地のすぐ脇に「ふれあい公園」の駐車場(Googleマップで)があるので、国道の北側を並走する直線道路からそちらを使わせてもらうのが良いだろう。

 

狭い駐車スペースを左手に見ながら広い砂利道を登ってゆくと、小高く盛り上がった塚の前に石碑と説明板が見えてくる。

 

どちらも新しい✨


館の主郭へは、ここから右に折れて二本の空堀の間につけられた道を進むことになる。

その前に、説明板の向こうをちょろっと…

館の北側にも堀が伸びている。

小さいがけっこう鋭い。

すぐ外側が民家だし、整備された史跡なのでトバ口から眺めるだけにした。

けっきょく帰りには向こう側から降りてくることになるのだけど💦


ここは素直に主郭への道へ…
ほどなく、左側に土橋、その向こうに主郭の虎口らしきが見えてくる。
土の曲線の美しさと、土塁の向こう側が海や空という立地が、北国の厳しい風土を物語っているよう


反対側の空堀には木橋が架けられている。
ここも、背景はクッション無しの大海原😮

土橋の傍らに説明板が立っている。
今残っている遺構は、いく世代かの変遷の積み重ねであるのだという。
堀の形状が細かく変わっていたり、木橋が土橋になったりなど、興味津々…🤔

土橋の向こうにも空堀が続く。
向こう側に覗く、寒そうな津軽海峡…
この日函館は最高気温25.3℃で蒸し暑かったが…💦

では、虎口を通って主郭へ、いざっ💨

広々〜🙌


柵や礎石の位置が石などで示されている。
中央に説明板が立っている。

切れ目だらけのように見える土塁…
向こうに見える海…
きれいに切り揃えられた芝生が、北国の厳しい自然をさらに引き立てているよう…

主郭の真ん中に立つ説明板。
礎石建物は館の末期の建物跡だけに使われていたらしいとか😮

建物の位置を示す置物が並ぶ。

コンクリを並べたのは柵の位置。

虎口と反対側まで行って主郭全体を振り返る。
土塁の向こうに見えるのは、雲をかぶった函館山か…

虎口と正反対の東側にも、不思議な土塁の切れ目…

南東の方にも、低くなっているところが…

芝生の園にはしょっちゅう生えてくるブタナ…
こんなトコにまで入り込んでたか😮

主郭の中はこんなところなので、次は周りを巡ってみるか💨


虎口から外に出て、内側の空堀の末端まで行ってから東を望む。
ちょうど主郭を囲う土塁の切れ目の外側にあたる。
斜面がデコボコ、犬走りも付けられたような複雑なカタチ…


ここから海側になおも進むと、館の南側へ回り込む道が付けられている。
木の階段が設えられているので降りてゆくと、館の南側の土塁下に出る。
けっこう高く切岸加工されているようだが、完全な🌿🌿の斜面…

なおも進んで館の東側に出ると、こんな少年の夏休み的光景が…😮

ここは館の東側を守る堀の南端で、奥に進むと館の土塁裾を縁どる空堀が現れて、それらしい雰囲気になる。

その外にはテニスコートぐらいの広さの空間があって、柵の外は民家の敷地に繋がっている。
空堀に向かって少し傾いている。

で、主郭東側の土塁に入っていた切り欠きの外は短い竪堀のようになっていたが、🌿🌿に覆い尽くされていて、どうなってるのかよく分からなかった…
ここが出入口になってたようには到底見えないが…

空堀はまだ続き、北側へ回り込んでいる。

反対向き。
空堀の外側は緩いスロープ、内側の土塁は鋭く立ち上がっている。
左右非対称の、あまり見かけない断面…

芝生できれいになった外側に咲いたクローバーが鮮やか…✨

ここを南に進むと、最初の石碑と説明板の立つ入口に戻る。
海に面した南側以外をぐるりと空堀が囲んでいた。

さて、撤収💨

…の前に、トイレとあずまやが並ぶ館の西の麓にも入れるようになっていた。
ここに御城印が置かれている。


入ってゆくと、館の初期に虎口だったという場所。
今は階段が設えられれているが、かつて穿たれていたという土塁の切れ目は、きれいに埋められている。

ここを登れば、主郭の虎口前に行くことができる。

ここまでだろう。撤収。

室町時代〜戦国時代中頃まで使われた館とのことだが、単郭ながら伊賀あたりの城を思わせるような厳重な守りが印象的だった。
函館空港のすぐ横という交通至便の地にありながら、北の大地の厳しい自然とも闘っているような感じがまた、森の中に眠っていることの多い本土の中世城郭とはまた違った趣きがあった。

 

★志苔館

北海道函館市志海苔町

駐車スペースあるが道が狭く急。空港寄りの「ふれあい公園」駐車場利用が無難。

丘城

 

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(2024年2月14日 記)