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冥護山館は阿武隈川が宮城県に入ったところで東に大きく蛇行しているところから東の方に入った低山地帯の中に構えている。丸森町の中心地からは国道113号を相馬方面に10分ほど進んで県道103号に入る。

戦国時代にはこのあたりをめぐる伊達氏と相馬氏の争いの舞台となり、当初は相馬氏が押さえていたのが伊達氏に奪われ、相馬氏に対する最前線の城となったらしい。

かの近世仙台藩祖の伊達政宗は、この争いの中で初陣を飾っている。


この館…城のことはtwitter上で知ったが、行く機会が無いまま記憶が薄れていた。

それが、このGWを前に突然思い出して遠征の目標に加えた😅

 

国道121号から県道108号に入って、入口は少々分かりにくいがこの交差点から橋を渡る。

橋の袂に、冥護山館を指す手作りの矢板が立っている。

 

車幅ちょいの舗装道を登ってゆくと、正面に墓地が見えてくる。

 

 

右下の方に墓地のものらしい駐車場があり、ここに車を停めて出発💨

館への入口は、墓地の後ろ側にあって、案内も立っている。

 

反対側に説明板が立っていた。

この図を見ると、背後の墓地も大阪という曲輪だったらしいな…

ただ、だいぶ漫画チックな感じも…

 

50メートルばかり先のこの標柱のところから森の中へ入ってゆく踏跡があるので、そこへ入る。

 

もう右手の奥に「空堀」という標柱が見えてるし…😮

 

この右手の空堀状、右にカーブしながら登って、帯曲輪のようなところに斜めに詰め上げてるな…

今の歩道はその左側の上を通っているが、本来は堀底のこちらが城道だったか…?

 
今の歩道はこの空堀状の左側に沿って城内へと入ってゆき、間もなくこの空堀状の詰めとぶつかるんだが…
 
説明板の図によれば「小溜り」だろう曲輪外周の空堀と、下から登ってきた空堀状と合わさって、印象的なカーブを描いている。
ワタシ、これだけでもお腹いっぱいになれまふ✨

 
小溜り外周の空堀が描くカーブも伸びやかで、高速道路みたい🤗
 
空堀の先の方はヤブっぽそうだったので奥には入らず、主郭に向かって進むことにした。
道は小溜り西側を縁取る堀底を走るようになる。
右側が小溜り、左側は土塁。
 
奥の方に見えてくる分岐を覗き込むと、東の方に見える尾根に向かって空堀が直線的に突っ込んでいる😮
 
そのトバ口右側に、小溜りに入る虎口が開口している。
奥は完全な🌿🌿の世界で、入り込むのはあまり気乗りがしないな…💦
 
それでも入れそうではあったので、虎口から入ってみる。
ここは🌿🌿が相当だが、地面が見えないほどでもなく、奥まで入って行ける。
 
中央部が多少低くなっているのと、奥の方は上の曲輪(説明板によれば「扇枡形」)の切岸裾に細い空堀状が走っている。
 
まぁこの🌿🌿の世界のあまり奥まで踏み込みたくはないので、さっさと退散して空堀の続きへ行くか💨
虎口から曲輪を出て、登りになった空堀をさらに進んでゆく。
説明板の言うところの扇枡形のすぐ下で、左に折れる。

その先は、扇枡形〜本陣の西側の裾に沿って、伸びやかなカーブを描きつつ伸びている。
まるで明治道のようだな😮

本陣と反対側には、ごく小さな空間が…
説明板では漫画チックに細い土塁か空堀が数本平行にいるが、曲輪と言えるかどうか、という感じ。

この空間の外を通り抜けてきた城道と合流して、さらに北へ。
左手、城外側の土塁が次第にハッキリして、堀底道のようになってくる。

その左手の土塁に、1箇所だけ切れ目が入っている。
下に動線が続くかと思って覗き込んでみたが、それらしいものは見えなかった…

堀底道状を抜けると、それなりの広さがある帯曲輪に行き着いた。
主郭部への登り口の下にあって、馬出のような曲輪か…?

主郭部へは、正面で斜面を真っ直ぐ登ってゆく細い道を登る。
切岸加工されたらしい斜面を、斜めとは言え一直線に登らせるとは、なかなかスパルタ…😨

 

登ってゆくと、主郭部を構成する2つの曲輪、本陣と人溜りの間に伸びる尾根に登りつく。

詰め上げる直前のここ、少しだけ掘り下げられていて、虎口のような造作がされているように見えなくもない… 


南側の本陣は、完全に🌿🌿に覆われていて、とても踏み込めそうな雰囲気でない…😨

北側の人溜りは、きれいに草が刈られている。
尾根の西側には土塁があったか😮

人溜りに入る。
ベンチなども置かれて公園にしようとした跡が見えるが、完全にボロボロ…😢
GWのいまは🌿🌿の勢いも旺盛で、放っておくとすぐに埋もれてしまいそうにも見える…

入口のと同じ見取り図入りの説明板も立っている。
ヤマツツジが咲いていたが、そろそろ終わりが近いようだ…

タンポポも…

尾根続きの南側の他は、三方とも土塁に守られている。
西側の土塁

東側の土塁は、背後の森が伐採されて日差しが入り込んでいる。

北端には、搦手らしい虎口があったようだが、今はヤブの中…

それでも、虎口の下には浅い竪堀状が降りていた。

麓に向かって左にカーブしながら降りているようだが、伐採した枝や下草で分かりにくくなっている。

伐採の時に重機が入って遺構が破壊されたと、一部で指摘が上がっていた場所だが、実際のところ遺構が破壊されたか否かまでは分からなかった。
最近では山城の整備でも重機が使われることもあるようだが…

ともかくも、特に南側の土木遺構が見事な山城だった。北側に入った伐採の手が気がかりなだけに、全貌が解明されて整備に結びつくことを期待したいところだ…


★冥護山館

宮城県伊具郡丸森町大内伊手

入口前の墓地の駐車場が利用できる。

山城

 

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(2023年7月13日 記)